
16四球を与えながらも勝利をつかみ、鈴木監督[左]と握手した野茂
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1994年7月1日だ。
この日に行われた
西武戦(西武球場)で近鉄の先発・
野茂英雄が前代未聞の記録を作った。9回を投げて16与四球のプロ野球ワースト記録。しかも、毎回のおまけ付き。それでいて、191球、3失点の完投勝利というのが野茂らしくもあった。
「ストライクが入るかどうかという以前の問題。自分のピッチングがまったくできなかった」と反省しきりの野茂。3四球、2安打の西武・
清原和博は「あれだけ荒れていたら狙い球が絞れない」と15残塁の拙攻、3対8で敗れた試合を振り返った。
球審が「ボール」を
コールしたのは計105回。「ほかの投手にはマネできん投球やな」と
鈴木啓示監督は言ったが、この試合の解説をしていた
星野仙一前
中日監督は試合後、「疲れた」とぐったり。自分が監督だったら、とっくに交代させていたと語り、我慢したのは「野茂ではなくて鈴木監督」と苦笑した。
写真=BBM