
最後の打者、佐々木誠を二ゴロに打ち取って大記録を達成して喜びを爆発させた
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1995年7月5日だ。
クールな男がこれだけ喜びを爆発させたのは非常に珍しいことだった。というより、プロ入り初めてのことだったかもしれない。
「野球をやっている限り一度はやってみたかったんです。でも、一生に一度できるか、できないかですからね。まさかそれができるとは……」
声も弾みっぱなしの
日本ハム・
西崎幸広だったが、それも相手が
西武だったからだ。
1989年4月13日、西武相手に西崎は7回までパーフェクト。しかし、8回に先頭の
清原和博に本塁打され、大記録は夢と消えた。そして95年4月22日の西武戦。西崎はまたも7回までノーヒット。しかし、8回先頭の
デストラーデの凡飛をセンターが見失って三塁打にする大チョンボ。またしても夢は破れた。
西武との悪しき因縁。それをようやく断ち切ったのが、この7月5日だった。
投球数119、被安打0、与四球1、内野ゴロ8、内野飛球1、外野飛球6、奪三振12の堂々たる投球内容。12奪三振は1971年の
鈴木啓示(近鉄)と並ぶノーヒッターの最多記録。いってみれば“ノーヒットノーラン中のノーヒットノーラン”だった。
写真=BBM