日本人最多は岩村明憲

三振を恐れぬフルスイングを続けてほしい
ヤクルトの高卒2年目、19歳の
村上宗隆が7月3日の
広島戦(マツダ広島)でプロ初となる満塁弾を放った。これが今季20号である。
2リーグ制後、高卒2年目以内の20本塁打以上は1953年、
中西太(西鉄。36本)、同年、
豊田泰光(西鉄。27本)、86、87年、
清原和博(
西武。31本、29本)、94年、
松井秀喜(
巨人。20本)以来で5人目、6度目の記録となる。
ちなみに世界のホームラン王、
王貞治(巨人)の2年目は、まだ一本足打法前だが17本。数字の遊びながら、王の1年目は7本塁打、村上は1本塁打。村上があと3本打てば、王と並び、世界最多868本ペースとなるわけだ。
すごいのはホームランだけではない。7月8日時点での打点63はリーグトップ。53年の中西は本塁打、打点の2冠王で、それ以来の高卒2年目以内の打点王に近づいている。
さらにさらに、村上がすさまじい勢いで量産しているのが三振だ。82試合に出場し、すでに102三振。180にも迫るペースである。
ただ、この記録に関しては、上には上がいる。すべて130試合制の時代ながら上位4位までを独占しているのが、
ブライアント(近鉄)である。93年が最多で、なんと204だ。
日本在籍8年中、リーグ最多三振は5回。ただ、これは逆に、これだけ三振しても使ってもらえた、ということでもある。
204三振の93年にしても42本塁打、107打点で本塁打王、打点王となっている。まさに「三振かホームランか」の選手だった。
村上にしてもチームの低迷でチャンスをもらっている側面もあるが、それ以上に、これだけの本塁打、打点を稼いでいるからこそのスタメン起用、だからこそ増えた三振でもある。
期せずして、日本人最多の5位は、同じくヤクルトの
岩村明憲で173(04年)。
これからも空振りを恐れぬフルスイングで、打点王、さらにはホームラン王も狙ってほしい。
写真=BBM