
今シーズンは三塁にも挑戦している淺間
9月10日の
ロッテ戦(東京ドーム)、スターティングメンバーに待ち焦がれた名前が帰ってきた。「一番・サード、
淺間大基」。開幕スタメンにも名を連ね、2019年型・栗山ファイターズのキーマン的な存在となるはずだった男が、ようやく一軍の舞台に舞い戻ってきた。
昨シーズンのオフ、三塁のレギュラーだった
レアードの移籍で白羽の矢が立ったのが淺間だった。「いままで経験がない」と未知のポジションながらも、首脳陣はその高い野球センスに目を付け、入団時から「天才」といわれる打撃力を生かすために驚きのコンバートを敢行した。
懸命の努力の成果で守りも飛躍的にレベルアップし、迎えた開幕戦でも「一番・三塁」の座を獲得。淺間、西川の新時代を予感させる一、二番コンビでシーズンはスタートした。だが、開幕間もなくしての4月中旬に右すねの骨挫傷で戦線離脱……。「まさか、こんなに長引くと思っていなかった」と本人も話すなど、想定していたよりケガは重症で復帰までの約4カ月半もの時間を要した。
毎年のように腰痛をはじめ、ケガに泣かされてきたプロ野球人生。それだけに「今年もか……」と本人の落胆ぶりは想像に難しくない。それでも、もがき苦しみながら長い、長い時間を乗り越えて前述した9月10日のロッテ戦を迎えた。その日は良い当たりを放つも3打数ノーヒットに終わったが、12日の
楽天戦(東京ドーム)では打っては3打数2安打、三塁でもフットワークの軽い守備でチームの連敗をストップさせる活躍を見せた。
「残り試合は少ないですけど、少しでもチームの勝利に貢献したい。それしかない」と語る23歳がシーズン最終盤でチームの嫌な流れを変える、起爆剤的な存在になってくれそうな期待感が漂っている。
だが、このコラムをアップ後に、ふたたび右ヒジ回内筋肉離れ(1度)で戦線離脱となってしまった淺間。悩める天才に相次ぐ試練……。背番号26がふたたび輝く日をいまは待ちたい(9月15日一部加筆修正)。
写真=BBM