10月25日から11月4日まで京セラドームで開催される第45回社会人野球日本選手権。週刊ベースボールONLINEでは、同大会にまつわるさまざまな情報や知られざる秘話を『JABA公式サポーター』が日替わりで発信していきます。本日は豊島わかなさんです。 社会人から11選手がプロへ

前日会見に出席した左から東芝・岡野、大阪ガス・小深田大翔、JFE西日本・河野、JR西日本・佐藤直樹、東芝・宮川
いよいよ本日からスタートする第45回社会人野球日本選手権大会。大会前日の10月24日に、今年のドラフト会議で見事プロ球団から指名をされた5選手の記者会見が、ホテル日航大阪にて開かれました。
今年は社会人野球界から、11選手がプロ野球界へと進みます。今回は、新たな希望や目標を胸に、プロという厳しい世界に挑戦をする3選手にお話をうかがいました。
最初は
北海道日本ハムファイターズに1位指名をされたJFE西日本の
河野竜生投手(鳴門高)です。河野投手は最速151キロのストレートと、制球力抜群の変化球が魅力の即戦力左腕。昨年の日本選手権では宮崎梅田学園との戦いで、13三振を奪う3安打完封勝利を収めるなど、チームに欠かせない存在でもあります。
「先日帰省し、両親と話す機会がありました。父は小さいころから野球の基礎的な部分を教えてくれていたこともあり、プロ野球は親子そろっての目標でした。母から父がとても喜んでいたことを聞き、自分もうれしく思っています。両親に感謝したいです」
河野投手の持ち味である、ボールの出どころが見えにくいコンパクトな投球フォームは、自身が所属していた少年野球チームの監督を務めるお父さまから教わったもの。親子二人三脚で目指してきたプロ野球の世界に入る河野投手の笑顔は、いつも以上にキラキラと輝いていました。
プロでも刺激し合いながら
埼玉西武ライオンズから1位指名を受けた東芝の
宮川哲投手(上武大)と、
中日ドラゴンズ3位の
岡野祐一郎投手(青学大)の2人は、ドラフトまでの1年間を「ともに支え合い、切磋琢磨し、成長した1年だった」と振り返ります。
先輩である岡野投手から学ぶことしかなかったと話す宮川投手は、「変化球の使いどころといった技術面や、勢いばかりで攻めるのではなく、打者をよく見て安定感のあるピッチングをすることなどを岡野さんから学びました。良き先輩であり、良きライバル。勉強になることが多かったです」。
今季、公式戦負けなしの岡野投手の背中を見て、まだまだ超えられない相手と感じているそうで、「次のステージではしっかり勝てるように準備をしたいです」と球団は違うものの、お互いを刺激し合いながらさらに成長することを誓いました。
宮川投手のあこがれの存在である岡野投手は、昨年のドラフト会議で惜しくも指名漏れという悔しい経験をしました。しかし、この1年を通して、自分の弱点を見直すことができ、またチームの温かさに触れることもできたそうです。そして何より、宮川投手の存在が大きかったと話します。
「宮川はとにかく真っすぐの威力がすごい。自分にはないところをたくさん持っている投手です。トレーニングやキャッチボールで宮川からアドバイスをもらうことで、自分にも少しは力がついたかなと実感しています。宮川には本当に感謝をしています」
と先輩後輩の立場は関係なく、お互いの良いところを認め合い、伸ばしてきた姿がうかがい知れました。
どの選手もプロ野球という新たなスタート地点に立ったことに緊張の気持ちを抱きつつも、その表情には夢を実現できたことへの喜びがにじみ出ていました。そして、ここからの飛躍とさらなる成長のために、社会人野球での経験を活かしながら、プロ野球の世界でも活躍をするぞ! という強いエネルギーを感じました。
社会人野球のシーズンを締めくくる日本選手権大会は、今日から11日間京、セラドーム大阪で開催されます。熱い思いでプレーに励む選手たちにご期待ください。
公式サポーター日本野球連盟YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC26D0n0-QuxyIghG0WqbN0A
PROFILE

左から豊島わかなさん、田中優美さん、若菜奈津美さん/写真=BBM
とよしま・わかな●1986年12月14日生まれ。愛知県出身。ニックネームは「豊ちゃん、わかちゃん」。趣味は昼寝、特技は書道。
たなか・ゆみ●1992年5月21日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「ゆーみん」。趣味は動物とたわむれる、特技は脚が柔らかいこと。
わかな・なつみ●1990年10月24日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「なっちゃん」。趣味も特技もダンス。