先日、
巨人がMLBのナショナルズから
ヘラルド・パーラ、ホワイトソックスから
チアゴ・ビエイラを獲得したと報じられた。パーラはゴールド・グラブ賞を2度獲得している守備の名手で、シュアな打撃も魅力の選手。今季は5月にナショナルズに移籍し、ワールド・シリーズ制覇に貢献した。ビエイラはブラジル出身の26歳右腕。最速167キロを誇り、今季は6試合に登板し、1勝、防御率9.00だった。巨人の一員となる2020年は、タイトルを獲得するほどの活躍を期待したいところだが、巨人入団1年目から何らかのタイトルに輝いた助っ人には誰がいただろうか?
NPB挑戦1年目での獲得は4人だけ
NPB挑戦1年目でタイトルを獲得した巨人の助っ人は過去4人しかいない。
まずは巨人史上最高の助っ人ともいわれているウォーレン・クロマティだ。1983年オフにエクスポズから入団したクロマティは、1年目から打ちまくり、打率.280、35本塁打、93打点の成績を記録。試合を決める「勝利打点」はリーグ最多の18点で、当時表彰タイトルの一つだった「最多勝利打点」を受賞した。
次に、1996年キャンプのテストで合格して入団した
バルビーノ・ガルベス。審判にボールを投げつけようとするなど、暴れん坊というイメージが強いが、入団1年目から同僚の
斎藤雅樹と並ぶ16勝を挙げ、最多勝のタイトルを獲得している。
3人目は、現在は
DeNAで活躍している
ホセ・ロペスだ。1年目の2013年は121試合に出場して打率.303、18本塁打、55打点とバッティングでも貢献したが、何より守備に優れていた。任された一塁の守備はシーズンたった4失策で、いきなりゴールデン・グラブ賞に輝いた。現在もこの好守は健在で、2016年から2019年まで4年連続で同賞を獲得している。
最後は2014年オフに加入した
マイルズ・マイコラス。1年目となる2015年シーズンの序盤はなかなか勝利に恵まれなかったが、5月に初勝利を挙げるとそこからシーズン11連勝を記録。最終的に13勝3敗の成績を残し、最高勝率のタイトルを獲得した。
NPB経験者だと6人が1年目でのタイトル獲得者

巨人・ローズ
「他のNPB球団から移籍してきた助っ人外国人」の中で、移籍後1年目からタイトルを獲得したのは5人。1人目は近鉄時代に3度の本塁打王に輝いた
タフィ・ローズだ。加入1年目の2004年も打ちまくり、終わってみれば45本塁打で「最多本塁打」のタイトルを獲得。ベストナインにも選ばれた。
現在はDeNAの監督を務める
アレックス・ラミレスも、
ヤクルトから移籍してきた巨人1年目の2008年にタイトルを獲得した選手。この年は打率.319、45本塁打、125打点を挙げ、最多打点とベストナインを受賞した。
ラミレスが打点王に輝いた2008年は他の助っ人たちも活躍している。ヤクルトから加入した
セス・グライシンガーが17勝を挙げ、最多勝とベストナインを受賞すれば、横浜から加入の
マーク・クルーンも41セーブで最多セーブ投手に選ばれている。投打で助っ人たちが躍動した1年だった。
翌2009年も、前年オフにヤクルトから加入した
ディッキー・ゴンザレスが活躍。最多勝利や最優秀防御率など主要な投手タイトルは逃したが、安定したピッチングで「負けない投球」を続け、リーグ最高勝率をキープ。ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を受賞した。
例えば今回加入するパーラはパワーヒッターではないため、タイトルを獲得するとすれば最多安打やゴールデン・グラブ賞だろう。ただ、過去に横浜で活躍した
ロバート・ローズのように、いきなり打撃に開眼して本塁打を量産する可能性もある。クロマティなど「来日1年目でタイトルを獲得した助っ人」に続けるか、まずはキャンプでのプレーに注目だ。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM