
12月9日に行われたロッテの新入団選手発表会で、個性あふれる7人の新戦力が加わった。選手オリジナルの「コアラのマーチ」を手にポーズを見せている
新入団選手発表会とは、いかに報道陣の前で、自身をアピールするかの場でもある。
12月9日。真新しいタテジマのユニフォームを着たロッテの記者会見で、最も存在感を示したのはドラフト1位、令和の怪物・
佐々木朗希(大船渡高)。一方で、最もインパクトを与えたのは同3位・
高部瑛斗(国士舘大)だった。
この日、ロッテの人気菓子である「コアラのマーチ」の選手オリジナル商品が、入団記念に贈呈された。その感想を求められると、高部は気の利いたコメントを残した。発売から今年で35周年の長寿キャラクターである。
「『コアラのマーチ』のように、愛される選手になりたい」
会見場にはロッテ本社の社員も多数いたが、「オーッと」どよめきが起こった。まさしく「つかみはOK」の極上談話であった。
国士舘大では4年間で、東都一部でのプレーは叶わなかったが、二部の記録を更新する129安打を放った。リップサービスだけでなく、自らのセールスポイントも忘れない。
「足からプレーの幅を広げていく。率が残せて、安打も稼げるリードオフマンとして、試合を動かせる選手になりたい」
1年目の抱負としては「開幕スタメン」と語った。そして、将来的な目標は2000安打。見据えるビジョンは、明確である。
50メートル走5秒8の韋駄天。背番号38の高部が本拠地・ZOZOマリンのダイヤモンドを疾走する姿が、早くも思い浮かぶ。
文=岡本朋祐 写真=BBM