
シーズン終盤、勝ちパターンの一角として存在感を発揮した平良
何よりも魅力は力強いストレートだ。高卒2年目の今季、7月19日の
オリックス戦(メットライフ)でデビュー戦を飾り、徐々に首脳陣からの信頼を勝ち取っていった
西武の
平良海馬。優勝争いが激しさを増したシーズン終盤に勝ちパターンに組み込まれ、8月27日の
日本ハム戦(釧路)では球団史上最速タイの158キロをマークした。
今季の球種割合を見るとストレートが65.4パーセント、スライダーが12.6パーセント、カットボールが9.7パーセント、チェンジアップ系が6.2パーセント、カーブが6.2パーセントと直球系が多くを占め(共同通信デジタル調べ)、ほぼすべての試合で150キロ超の球速を記録した。
ただ、本人は球速はまったく気にしていない。
「球速はただの数字。それよりも、強い球を自分の思ったところに投げられることのほうが大事。チームで言えば増田(達至)さんのようなストレートが理想。増田さんも150キロを超えるストレートを投げますが、148、149キロのストレートのほうがボールの回転数もあって、バッターが空振りしたり、ファウルしたりすることが多い。そういったストレートを投げたいです」
オフは優勝旅行には行かず、
菊池雄星(マリナーズ)とアリゾナで自主トレを行っている。入団時に84キロだった体重は100キロになり、着実にパワーアップを果たしていた。だが、「体重よりも体脂肪率。100キロで体脂肪21パーセントなので、もっと絞って18、19パーセントくらいにして、筋量を維持しないといけません」と12月上旬には語っていただけに、理想のボディを手に入れるために先輩左腕とトレーニングに励んでいることだろう。
3年目の来季、平良がどのような進化を遂げるか今から非常に楽しみだ。
文=小林光男 写真=BBM