日本ハムの
小笠原道大新ヘッドコーチ兼打撃コーチは厳しい視線を若手選手に送っていた。14年ぶりに指導者として古巣に復帰した小笠原コーチ。
栗山英樹監督は「ガッツ(小笠原コーチ)に任せている」と信頼を置いているが、とにかく若手選手にバットを振らせまくっている。「打てないんだから、練習が長くなるのは当たり前でしょう」と小笠原コーチは言うが、確かに日本ハムは近年、若手野手が伸び悩んでいる。次世代の主力を作り上げる必要があり、まずは1年間戦える体を作るため、“量”を求めるのは必要なことだ。
日本ハムは昨季リーグ5位の560得点と打線が低迷した。若手の台頭だけでなく、得点力アップのために外国人選手の力も必要だ。昨季、“台湾の4割打者”として鳴り物入りで入団しながら打率.255、3本塁打、35打点と本領を発揮できなかった
王柏融に対しても、小笠原コーチは「昨季は打撃が小さくなっていた。今季はこのままいけばやると思う」と期待は大きい。
さらに昨季は
巨人でプレーして、今季から日本ハムの一員になった
ビヤヌエバだ。昨季は73試合の出場で打率.223、8本塁打、24打点。巨人は打ち続けないとすぐにスタメンから外されてしまう。通訳にも聞いてみたが、やはり本人は焦っていたという。その気持ちが強引に引っ張る打撃につながり、結果が出ない悪循環に陥った。日本ハムでは「三塁守備もいいし、試合に出続けると思います」と小笠原コーチが言い、本人もセンター中心の打撃を心掛けて“ムチャ振り”をしなくなっている。日本野球にも慣れ、ある程度の成績を残すのではないか。
写真=高原由佳