2019年のレギュラーシーズンが終了してから現在までに、
ソフトバンクの
中田賢一が無償トレードで
阪神に、
ロッテの
涌井秀章が金銭トレードで
楽天に移籍。補強期間が終了する7月31日はまだ先のため、今後もトレードが起こる可能性は十分にある。では、2005年に楽天が創設されて現在のチーム体制になって以降、最も多くトレードを行ったのはどのチームなのだろうか?
トレード回数が最も多いのは楽天だが……

昨季途中に楽天から巨人へ移籍した古川
まず、2005年から現在までに行われた各チームの交換・金銭・無償トレードの回数を調べ、上位5チームを以下にまとめてみた。
●第1位 楽天……40回
巨人……9回
DeNA……5回
ヤクルト……5回
阪神……4回
広島……4回
中日……4回
ソフトバンク……3回
ロッテ……3回
オリックス……2回
西武……1回
日本ハム……0回
2005年以降で最も多くトレードを行っているのは楽天。中でも巨人とのトレードが9回と抜きん出て多く、最近でも巨人・
和田恋と楽天・
古川侑利のトレードや、巨人の
橋本到を金銭トレードで獲得するなど、精力的に行っている。その一方で、なぜか日本ハムとだけはいまだにトレードがない。
●第2位 巨人……36回
日本ハム……11回
楽天……9回
西武……5回
オリックス……3回
DeNA……2回
広島……2回
ロッテ……2回
中日……1回
ソフトバンク……1回
ヤクルト……0回
阪神……0回
楽天の次に多いのが巨人。2005年以降、36回のトレードを行っている。特に日本ハム相手のトレードが多く、昨シーズンにも2対2のトレードが実現した。今シーズンもお互いの補強ポイントがマッチすれば12回目が行われる可能性がある。

2017年途中に黒羽根利規との交換トレードで日本ハムからDeNAに移籍したエスコバー
●第3位 日本ハム……34回
巨人……11回
DeNA……6回
ヤクルト……4回
阪神……4回
ロッテ……3回
中日……3回
オリックス……2回
ソフトバンク……1回
西武……0回
広島……0回
楽天……0回
日本ハムは先述のように巨人とのトレードが最も多いが、DeNAとも6回トレードを行っている。また、楽天・西武・広島の3チームとは2005年以降トレードはなし。それ以前では西武とは1997年、広島とは1991年と、かなりさかのぼらなければならない。
●同3位 オリックス……34回
ソフトバンク……5回
ロッテ……5回
DeNA……4回
広島……4回
巨人……3回
阪神……3回
中日……3回
楽天……2回
西武……2回
日本ハム……2回
ヤクルト……1回
オリックスが日本ハムと同数で3位となった。2005年以降では、12球団で唯一すべてのチームとトレードを行っている。ライバルの戦力を上げないために、同じリーグに所属するチームとのトレードは避ける傾向にあるが、オリックスは同リーグ内のトレードが多いのが特徴だ。
●第5位 DeNA……30回
日本ハム……6回
楽天……5回
ロッテ……4回
オリックス……4回
西武……3回
ソフトバンク……3回
巨人……2回
広島……2回
中日……1回
阪神……0回
ヤクルト……0回
DeNAは、日本ハムや楽天、ロッテとパ・リーグのチームと多くトレードを実施している。直近では、2019年に
熊原健人を放出し、楽天・
濱矢廣大を獲得。また、2012年には3対3の大型トレードをソフトバンクと行っている。
上位5チームをまとめたところ、最も多くトレードを行っているのは巨人と日本ハム。2005年から現在までに11度と、ほぼ毎年のように実施している。また、複数人同士のトレードも過去4回と多く、それだけ両チームの思惑が一致することが多いといえそうだ。
最もトレードが少ないのは?
ちなみに、12球団で最もトレード回数が少ないのはヤクルトで15回。チームごとのトレード回数は以下のとおり。
楽天……5回
日本ハム……4回
西武……2回
ソフトバンク……2回
ロッテ……1回
オリックス……1回
巨人……0回
DeNA……0回
阪神……0回
広島……0回
中日……0回
見事なまでにセ・リーグのチームとトレードを行っていない。ここまで徹底しているのはある意味すごいことだ。では、最後にセ・リーグのチームとトレードを行ったのはいつなのだろうか。さかのぼって調べてみたところ、1999年オフに阪神と金銭トレードを行ったのが最後だった。このときヤクルトは
野村克則を放出。父・
野村克也が新監督に就任したチームに移籍することになった。
果たして今シーズンも日本ハムと巨人のトレードが行われるのか。また、1999年以降一度もないヤクルトとセ・リーグチームとのトレードは成立するのか。今シーズンの各チームの動向に注目だ。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM