「礼儀にはとても厳しい母でした」

母へのメッセージカードを手にする川野(球団提供)
西武は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により自宅で過ごす時間が多くなっているファンのために、4月11日(土)からお家で遊べる企画を4週連続で公開したが、母の日を翌日に控えた本日は同企画の特別編として、「ライオンズ手作りメッセージカード」を新たに公開した。球団のオフィシャルウェブサイトからデータをダウンロードできる。
メッセージカードは、母の日用のピンクを基調にしたデザインのほか、大切な人やお世話になっている人への感謝も伝えられるようにとブルーを基調にしたデザインも用意。それぞれのメッセージカードにあしらった花には、感謝の思いを伝えるのにふさわしい花言葉が込められている。
来る5月10日は、ルーキーの
川野涼多にとって初めて実家を離れて迎える「母の日」だ。熊本から所沢にやってきて早5か月。母親について尋ねると、「ここまでやってこれたのは母のお陰です。女手一つで僕をここまで育ててくれました」。母子家庭で育った川野は、幼少時代からを思い出しながら話し始めた。「礼儀にはとても厳しい母でした。あとは自分の楽しいことだけに走るな、と。僕は今年初めて実家を出ましたが、母は今、寂しい想いをしているようです」とふるさとの母親を想った。母の日が近づき、「子どものころに、『いただきます、ごちそうさまはちゃんと言いなさい』」と言われたこと、中学時代に門限を守らず怒られたこと…そんな出来事が蘇ってくるという。
そんな川野の母親は、バレーボール、陸上、水泳を経験した“スポーツウーマン”。川野には兄がいるが、子どもたちが野球に夢中になるのがうれしかったという。昨年のドラフトで息子がライオンズに指名されたときは「これからがスタート。うまくいかないこともあると思うけれど頑張りなさい」と励まされた。実家の母親を心配させないためにも、今はひたすらにバットを振る日々だ。
松井二軍監督へ質問
この自主練習期間中、川野は
松井稼頭央二軍監督と約90分、今の取り組みについて話したという。同じスイッチヒッターの大先輩に対して質問は途切れず、「人の2倍練習しなさい。右も左も平等に振るんだ」。そんな言葉を胸に刻み、打ち込んでいる。川野は、寝るのも惜しいほど、練習欲にかられている。時間があれば、川野をスカウトした
高山久育成アマチュア担当に電話をかけ、アドバイスを求める。「この状況下の中でもできることは何でもやりたい。プロ1年目ですが、“慣れるだけでは終われない”」と語気を強めた。
川野の母親は両親と3人で魚屋を営む。魚を仕入れ、さばき、それを商品として世の中に出しているという。「これからはやることをしっかりやって、いずれ母を不自由なくゆっくりさせてあげたい」と意気込んだ。川野にとってのおふくろの味、オムレツが恋しくなるころだが、「ライオンズに来たら自分が一番下手。すべてにおいてレベルアップし、先輩に追いつきたいです」と目を輝かせた。
今年は、母の日にあわせて花を贈ったという川野。そして、花言葉は「感謝」「思いやり」という意味を持つピンクのガーベラのメッセージカードを手に取り、気持ちを短い言葉に込めてみた。
「成長した姿を見せられるように頑張ります」
普段、恥ずかしくてなかなか言葉にできない気持ちもあるだろう。外出自粛等の影響で母親に直接、メッセージを伝えるのが難しい今、川野のように日頃の感謝を書いてみるのも良いかもしれない。
「ライオンズ手作りメッセージカード」の無料ダウンロードはこちら https://www.seibulions.jp/news/detail/00003653.html
西武ライオンズ