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セ・リーグ6球団 “史上最強”の遊撃手は?

 

読売ジャイアンツ



 時代を彩ったショートは数多いるが、現在キャプテンを務める坂本勇人がトータルで史上最強と言えるのではないか。高卒2年目の2008年にセカンドで開幕スタメンを飾ると、この試合の途中に二岡智宏が故障。代わってショートに入ったところから不動の存在に。原辰徳監督の我慢の起用もあったが、09年には打率.306、10年に31本塁打、12年には173安打で初の打撃タイトルを手にした。ただ、本当の意味で変身を遂げたのが15年のキャプテン就任以降。自らの打撃も一度リセットして見直し、この年は.344でセ・リーグの遊撃手としては史上初めて首位打者に。以降は17年=.291、18年=.345、19年=.312だ。守っても16、17、19年はゴールデン・グラブ賞を受賞。そして昨季はV奪回を果たし、MVPにも選ばれている。2000安打も目前で、現代でも12球団NO.1のショートストップと言える。

広島東洋カープ



 初優勝時のショートの三村敏之、その後の黄金時代を築いた高橋慶彦、そして近年ではリーグ3連覇の斬り込み隊長の田中広輔と好選手は多いが、攻守走の総合力と活躍期間の長さを考えると、やはりカープ最強のショートは、1990年代のほとんどでレギュラーを張った野村謙二郎になるだろう。プロ3年目の91年に主に三番打者としてリーグ最多安打と2年連続となる盗塁王の活躍でチームをVにけん引。95年には打率.315、32本塁打、30盗塁で史上6人目のトリプルスリーを達成し、ゴールデン・グラブ賞も獲得している。また、96年、11.5ゲーム差から巨人の逆転Vを許したのには、この野村が7月に骨折したことが大きな要因と言われているほどだ。

阪神タイガース



 遊撃手としては歴代最長の667試合連続フルイニング出場を果たし、6度のベストナイン、4度のゴールデン・グラブ賞(遊撃手部門のみ)の鳥谷敬、遊撃手部門で6度のベストナイン、2度のゴールデン・グラブ賞を獲得した藤田平という名遊撃手を輩出している阪神。しかし、最強の遊撃手となれば“ムッシュ”こと吉田義男ではないだろうか。当時は現在のゴールデン・グラブ賞などはなくベストナインのみ。しかし9度もこの賞を獲得している。その守備は「牛若丸」と称され、華麗かつ堅実。「捕るが早いか投げるが早いか」と捕球から送球までの早さを形容詞されるほど。現役17年間で15度の最多守備機会を記録するなど、まさに守備の達人であった。また小さい体ながら首位打者も1度獲得しており、打撃面でも前者の2人に劣ることはない。まさに伝説のショートストッパーと言える存在だ。

中日ドラゴンズ



 1998年にドラフト5位で亜大から入団。最初は守備固めや代走からチャンスをつかみ、やがてショートのポジションをつかんだ。2004年から6年連続を含む通算7度のゴールデン・グラブ賞をショートで受賞。セカンドの荒木雅博とは“アライバ”コンビと呼ばれ、史上屈指の二遊間と高く評価されている。その荒木と二遊間のポジションを替わったシーズンもあったが、ショートの守備は派手さこそないが、堅実だった。鉄壁の守備はもちろんのこと、打撃も粘り強く、特に右打ちは職人技。走攻守と三拍子そろった中日最強のショートストップだろう。

東京ヤクルトスワローズ



 遊撃手としてゴールデン・グラブ賞を6度受賞した宮本慎也は、現役19年間をヤクルト一筋。通算2133安打を記録し、名球会入りも果たしている。だが最強と言えば、同じく19年間をヤクルトで過ごした池山隆寛を選びたい。ゴールデン・グラブ賞は1度だけで、“ブンブン丸”と呼ばれ三振も多かった。しかし、1988〜92年まで毎年30本塁打以上を放っている。92年からはミスター・スワローズの称号でもある背番号「1」を背負い、名実ともにチームの顔。ヤクルトは今まで7度の優勝を遂げているが、そのうち5度が池山現役時と、貢献度で言えば宮本を上回るだろう。

横浜DeNAベイスターズ


大洋・山下大輔


 元投手という強肩と俊足を生かした生かした広い守備範囲で1990年代、2000年代のベイスターズを支え、日本一となった98年にはゴールデン・グラブに輝いた石井琢朗は、間違いなく名遊撃手だった。しかし、純粋に守備だけで評価するなら山下大輔が球団史上最強のショートストップだろう。慶大で主将として神宮では活躍。1974年にドラフト1位で大洋(当時)に入団すると堅実な遊撃の守備で、76年から83年まで8年連続でダイヤモンド・グラブ賞に選出。77年から78年にかけては322連続守備機会無失策のプロ野球記録(当時)を樹立している。

写真=BBM
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