
今オフにもポスティングでのメジャー挑戦の意思があることを表明している西川
まだ新型コロナウイルスが中国でニュースになり始めていた2月初旬、
西川遥輝に
日本ハムのキャンプ地である沖縄・名護でじっくりと話を聞く機会があった。新キャプテンとしての思いをはじめ、周囲を驚かせたメジャーリーグ挑戦に至った背景など、真っすぐな瞳で語ってくれた。
「僕のような選手がメジャーでは通用しないと言う人は必ずいる。それも分かっていて言っていますし、だからこそやってみたい、結果を出して見返したいという気持ちがある。自分の力がどこまでアメリカで通用するのか。そのためには、まずは2020年シーズン、日本で圧倒的な数字を残すことが大前提。そういう意味では本当にこの1年は自分の野球人生を懸けて死ぬ気でやるつもりです」。その言葉どおり、キャンプでの練習に打ち込む姿勢も並々ならぬものを感じていたし、本当にこの男はどんな1年を見せてくれるのだろうかと、開幕の日を待ちわびていた。
そんな矢先に起こった世界中を襲った未曾有のコロナショック──。プロ野球も開幕が延期になり、先日の5月25日にようやく3カ月遅れで6月19日に無観客での開幕が決まった。だが、西川が目指すメジャーリーグは今だに正式な開幕決定まで至っておらず、間違いなく、今オフの海外選手の獲得にも大きな影響が出るとも言われている。
西川自身もペナントの開幕が3カ月遅れたことで、やはり実戦感覚を含めていつもの開幕とはすべての状況が違う。それでも揺るがぬ決意はまったく変わってはいなかった。5月18日にオンラインを使って報道陣に近況を伝える機会があったが、「そこはブレないでやっていく。道なき道を切り開いていくつもりで、強い気持ちでやっていきたいです」と苦難の道程が予想される中でも、改めてメジャーリーグ挑戦の決意を口にした。
ペナント開幕まで約3週間。背番号7の大きな分岐点となる熱き挑戦の火ぶたが、もうすぐ切られる。
写真=BBM