
西武との5連戦で2本塁打、7打点を挙げた楽天の四番・浅村
開幕から1カ月が経ち、全球団との対戦が終了した。7月20日現在、首位に立っている楽天だが、その好調さには四番を務める
浅村栄斗の活躍が大きく関係しているだろう。ここまでチームトップの11本塁打、35打点を稼ぎ出し、得点圏打率も4割を大幅に超える.481。四番としての仕事をきっちりと果たしている。だが注目したいのは、西武との対戦成績だ。チームとしても昨季の王者・西武にカモにされないことが優勝への条件となることは間違いないだけに、昨季西武から打率.303、11本塁打を放っている浅村の活躍は見逃せないポイントだ。
移籍1年目だった昨季、西武戦では「気合が入っていた」と振り返った浅村。「ライオンズのファンの皆さんの前でも、自分が今まで以上に頑張っている姿を見せないといけないと(西武との)最初の試合で思ったし、あまり変な姿というのを見せてしまうと失礼かなと思っていた」。楽天に移籍し、初めての西武戦でブーイングを浴びたことで、新天地での活躍こそが恩返しになるのだという思いをさらに強くしたという。
今季、西武との対戦はホームでの5試合を終えたばかりだが、浅村は打率.333、2本塁打、7打点を挙げて、チームも3勝2敗。昨季同様、西武キラーぶりを発揮している。ただ注目したいのはチームが敗れたときの浅村の成績だ。7月17、18日に連敗を喫した楽天。その試合での浅村の打撃成績は17日が3打数0安打1四球、18日が4打数0安打0四球である。チームは勝利した試合はすべて7得点以上を挙げ、敗れた試合の17日は2得点、18日は3得点と得点力が大きく下がっている。四番を務めているだけに、浅村の成績が得点に関わることは当然ではあるが、西武戦では顕著にそれが表れていた。やはり西武戦でのキーマンは浅村になるだろう。
もちろん西武もやられっぱなしということはないはずで、どのような浅村対策を講じるのか、さらに浅村はそれをいかにしてはねのけ、今季も西武キラーぶりを発揮するのかは気になるところ。楽天の四番として王者・西武とどのように対峙するのか、浅村のバットには今後も注目していきたい。
文=阿部ちはる 写真=BBM