
今季はリーグ2位の打率をマークと出塁能力が高い近藤
今シーズンのパ・リーグで特に好調なのが
日本ハムの
近藤健介。球界屈指の打撃技術を持つ近藤は特に出塁率の高さが魅力で、昨季は.422をマーク。自身初となる最高出塁率のタイトルを獲得した。今季もその勢いは衰えず、2020年9月18日終了時点でリーグトップの.482と、
落合博満の持つNPB記録の更新も狙える数字だ。そこで今回は、近藤が挑む落合の記録など、出塁率の歴代記録にフォーカスを当ててみた。
NPB記録は驚異の.487
シーズン出塁率の歴代TOP10は次のようになっている。
1位 .487 落合博満(
ロッテ/1986年)150安打・104四死球
2位 .4806 落合博満(ロッテ/1985年)169安打・104四死球
3位 .4805 バース(
阪神/1986年)176安打・84四死球
4位 .4728 落合博満(
中日/1991年)127安打・99四死球
5位 .4725
小笠原道大(日本ハム/2003年)160安打・98四死球
6位 .4694
柳田悠岐(
ソフトバンク/2015年)182安打・102四死球
7位 .4687
ペタジーニ(
ヤクルト/1999年)147安打・123四死球
8位 .468
丸佳浩(
広島/2018年)132安打・133四死球
9位 .467
カブレラ(
西武/2002年)150安打・111四死球
10位 .466 ペタジーニ(ヤクルト/2001年)149安打・127四死球
シーズン出塁率のNPB記録は、ロッテ在籍時の落合博満が1986年にマークした.487。1986年は2年連続、通算3度目の三冠王を獲得した年だが、序盤はなかなか調子は上がらず、5月時点ではリーグ上位に及ばない成績だった。しかし、ここから急激に調子を上げ、最終的に打率.360、50本塁打、116打点で三冠王に輝き、出塁率.487というNPB記録も樹立した。

通算でも4割超えの出塁率を誇る落合
落合は2度目の三冠王となった1985年には.4806、ロッテから中日に移籍して5年目の1991年にも.4728という高い数字を残しており、なんと歴代TOP5のうち3つが落合の記録。あらためて落合のすさまじさを実感する成績だ。
歴代TOP10の記録のうち、直近の数字は8位の丸佳浩の.468。広島在籍時の2018年に記録したもので、この年は4月後半で出塁率が.530と、歴代最高の落合を大きく上回る数字をマークしていた。その後、ケガで一時離脱したものの、一向に調子は衰えず。さすがに出塁率は下がっていったものの、自己最多.468を記録して最高出塁率のタイトルを獲得した。このときも落合の記録を更新するか注目されたが、惜しくも記録更新とはならなかった。

2015年に歴代6位の出塁率.4694をマークした柳田
パ・リーグではソフトバンクの柳田悠岐が2015年に記録した.4694が記憶に新しい。この年の柳田は、西武・
秋山翔吾と激しい首位打者争いを繰り広げ、打率.363、182安打、34本塁打と活躍。NPB新記録となるシーズン216安打を樹立した秋山を抑え、首位打者に輝いた。また、88四球を記録したこともあり、出塁率も.4694でリーグトップ。こちらも初タイトル獲得となった。
日本ハム・近藤は、開幕月の6月は打率.212と安打は少なかったが、10四球で月間出塁率は.395と高かった。7月になって打撃が上向くと四球も28と増え、月間出塁率.492、8月も.488と高い数字をマークした。9月は現時点で出塁率.514。驚異的な数字で推移しており、現時点で出塁率.482と歴代上位に並ぶ成績を残している。果たして落合を超えることができるのか、今後の活躍に目が離せない。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM