北海道日本ハムファイターズ
一軍での出場試合数はすでに昨季(81)を超える82試合。たとえ結果が出なくても、
栗山英樹監督が起用し続けている理由、その思いは清宮幸太郎自身が一番分かっているはずだ。10月19日現在、打率.184、6本塁打、19打点。同世代の
ヤクルト・
村上宗隆、
ロッテ・
安田尚憲が飛躍を遂げる陰で、悩めるスラッガーはプロの大きな壁にぶつかっている。打つほうでは確実性と苦手としている外角に沈む変化球への対応、一塁守備もまだ課題は多い。それでもボールをとらえたときの天性のホームランアーチストならでの放物線を目の当たりにすると、この男の持つ可能性に期待せずにいられない。残りシーズンはあとわずか……。2021年につながるような清宮の爆発を見たい。
千葉ロッテマリーンズ

ロッテ・安田尚憲
順調にステップアップしている。履正社高から入団した1年目に一軍デビューを果たすも、17試合でわずか8安打。プロのカベに直面すると、2年目は経験を積む1年に。球団の育成方針どおり、ファームで数多く打席に立って19本塁打、82打点でイースタン2冠に輝いた。迎えた3年目の今季は、開幕一軍を勝ち取って、7月21日から四番に定着。6本塁打と期待される一発は少ないものの、「勝利に導く一打」を胸に打席に立っている。サヨナラの好機で三振を喫するなど、悔しい経験もしているが、それもチームを背負う四番だからこそ。重圧をはねのけ、次なるステップアップは“絶対的な四番”となることだ。
オリックス・バファローズ
入団3年目で、ようやく規定投球回に到達しそうだ。即戦力左腕の期待を受けて、
西武との競合の末に入団した田嶋大樹。新人年の18年は開幕2戦目で初勝利をマークし、6月まで6勝を挙げるも、左ヒジを痛めて離脱と悔しいルーキーイヤーを過ごした。2年目は6月に復帰するも不振で二軍落ち。そんな鬱憤を晴らすかのように、今季は開幕先発ローテ入りし、9月16日の
楽天戦(ほっと神戸)では初完投、初完封を飾るなど、一度も外れることなく守り続け、今季の投球回数は103回1/3に。規定投球回まで16回2/3だ。先発左腕の台頭は、チームにとって好材料。来季以降も
山岡泰輔、
山本由伸との“先発3本柱”を形成する。
東北楽天ゴールデンイーグルス
今季初めて一軍登録されたのは7月28日だったが、登板機会がないまま8月16日に登録を抹消された。25日に再登録されると、ここまですべて中継ぎで5試合に登板して5回2/3を1失点、防御率1.59。チームを救う働きを見せたのは9月4日のオリックス戦(楽天生命パーク)だった。先発の
則本昂大が3回2失点で早期降板すると、4回の1イニングを無失点に抑えて今季初ホールド。チームの勝利につなげている。1年目から先発として期待されるもその座を確保できず、今季は中継ぎとして一軍定着を目指している。まだ勝ちパターンを任せられるほどの信頼度はないが、アピールを続けて2年前のドラ1の意地を見せたいところだ。
埼玉西武ライオンズ
2017年のドラフトで田嶋大樹(JR東日本)を1位指名したが、オリックスと競合し、クジで敗れ第2回入札で単独指名したのが齊藤大将(明大)だった。新人時代から一軍では主に中継ぎとして登板。しかし、1年目は16試合、1勝3敗1ホールド、防御率7.02、2年目は9試合、0勝0敗1ホールド、防御率6.75に終わる。今季も開幕一軍は逃し、8月7日に昇格。中継ぎとして5試合に登板したが、計7回を7失点(6自責点)、防御率7.71と結果を残せずに9月4日、登録抹消となった。今季は10月19日現在、二軍では17試合に投げて1勝1敗、防御率2.52。一軍で通用するためには制球力を含め、もう1段階レベルアップした投球を身につけるしかない。
福岡ソフトバンクホークス
工藤公康監督がクジを3度外したのちに、指名された吉住晴斗。鶴岡東高2年の夏に甲子園出場経験はあるものの、ポテンシャルは未知数。それだけにプロ入り後、どれほどの成長を見せるか期待されたが、3年目を迎えてもなお一軍どころか、二軍での登板数もわずか12試合にとどまっている。課題はなかなか定まらないフォームだ。修正に修正を重ね、今季を迎えるにあたってはオフの自主トレで
千賀滉大に弟子入りした。
巨人・
菅野智之らも参加した鴻江寿治トレーナーの主宰する「鴻江スポーツアカデミー」の合同自主トレでの学びを、どれだけ還元できるか。今季もいまだ主戦場は三軍。高卒入団とは言え、このままでは終われない。
写真=BBM