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パ・リーグ6球団 来季の飛躍が期待できる若手は誰?

 

千葉ロッテマリーンズ



 当初は二軍でじっくり育成する方針だった高卒2年目の藤原恭大。ファームでも甲子園春夏連覇を遂げた大阪桐蔭高時代から変わらぬ思い切りのいいスイングを見せて、7本塁打を放ち、14盗塁も記録するなど、順調に成長していた。そんな中で主力外野手が相次ぎ新型コロナウイルスに感染した10月に一軍昇格。すると2本の先頭打者弾を含む3本塁打をマークした。最終盤での昇格で26出場に終わったが、内角や低めのボールも巧みにはじき返すなど、バットコントロールの巧さも披露。CSでもスタメンに名を連ねて第2戦は3安打をマーク。来季はレギュラーとしてシーズンを通しての一軍出場の期待は大きく、どんな成績を残すのか早くも楽しみだ。

福岡ソフトバンクホークス



 5年ぶりとなる“親子優勝”を飾ったソフトバンク。2連覇を果たしたウエスタン・リーグでは、個人タイトルをほぼ独占してみせた。最多勝、最優秀防御率、勝率第一位に輝いた大竹耕太郎、首位打者と最高出塁率に輝いた三森大貴に関しては、一軍経験も多いだけに飛躍というよりも巻き返しが求められるが、本塁打王と打点王に輝いたリチャード、盗塁王に輝いた佐藤直樹は来季、一軍デビューとともに、それぞれ持ち前のパワー、足で一軍でどこまで通用するのか、期待がふくらむ。特にリチャードは荒削りながらも、飛ばす力はすでに主力級。数年後には一軍で四番を担うべく、オフ期間での打撃向上に努める。

埼玉西武ライオンズ



 今季は8月13日の楽天戦(メットライフ)でプロ初安打をマークすると、9月12日のソフトバンク戦(PayPayドーム)では初本塁打を放った高木渉。一軍で12試合に出場し、打率.175ながら2本塁打を放った。2018年、真颯館高から育成ドラフト1位で入団し同年オフに支配下へ昇格。秋山翔吾(レッズ)と柳田悠岐(ソフトバンク)を参考にしているという打撃は1年目からセンス十分だった。課題は外野守備だ。一軍の試合で打球判断を誤り、先制点を与えてしまうシーンも見られた。外野のレギュラー争いは激しいが、守備をレベルアップさせて、自慢の打撃を武器に、その一角をつかみたいところだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・黒川史陽


 今季、イースタン・リーグ2連覇、球団初のファーム日本一に輝いた楽天。その中でドラフト2位ルーキーの黒川史陽が躍動を見せた。イースタンで57試合に出場すると、リーグ6位の打率.297、65安打、6本塁打、31打点、1盗塁の成績を残した。特に打撃面で光るものがあり、長打力があるところもアピールできたと言えるだろう。また、一軍デビューも鮮烈だった。9月4日のオリックス(楽天生命パーク)で「七番・二塁」でプロ初出場初スタメンを果たすと、2回無死満塁の好機に右翼へ同点犠飛。初打席初打点の離れ業を演じてみせた。将来の中軸と期待される「浅村栄斗二世」の成長が楽しみだ。

北海道日本ハムファイターズ



 今オフにも西川遥輝がポスティングでのメジャー挑戦の可能性があり、空いた外野の一角は争奪戦へ。現有戦力では松本剛淺間大基らが有力な候補となるが、ファームにも楽しみな逸材がいる。昨年秋のドラフトで東日本国際大から7位で入団した片岡奨人。俊足好打の左打ちの西川に似たタイプで、ルーキーながらイースタン・リーグで56試合に出場。打率は.230と数字こそ伸びなかったが、左右の投手を苦にしない広角打法は首脳陣も高い評価を与えている。10月のドラフトで2位された同じ外野手の五十幡亮汰(中大)も大きなライバルになりそうだが、東北の地で地道に力を磨き、プロへのキップをつかんだ男も負けるつもりはない。2年目のブレークに向け、23歳のホープが静かに牙を研いでいる。

オリックス・バファローズ


オリックス・宮城大弥


 13試合に登板したファームで防御率2.72、ウエスタン・リーグトップタイの6勝をマーク。ドラ1左腕の宮城大弥が、高卒とは思えぬ落ち着いたマウンドさばきを見せた。最速も153キロまで伸び、新たにフォークも習得するなど二軍で腕を磨くと、10月に一軍昇格を果たして3度先発登板。11月6日の本拠地・京セラドーム最終戦(対日本ハム)では5回3失点(自責2)でプロ初勝利もマークした。来季は、開幕先発ローテ争いにも加わる可能性は十分にあり、ポジションをつかめば、山岡泰輔山本由伸の両右腕に、左腕・田嶋大樹を交えた強固な先発陣の形成も期待できる。来季で20歳。若き左腕の飛躍は、チームの未来を明るくする。

写真=BBM
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