新型コロナウイルスの影響で例年とは異なる試合数、スケジュールとなった今季だが、無事にレギュラーシーズンが終了。こうした変則スケジュールになるとコンディション調整が難しく、本来の能力を発揮できず低迷する選手も多かった。そんな中でも、コンディションを維持し続け、全試合に出場した選手もいる。今回は、2020年シーズンの全試合出場選手にフォーカスしてみた。
ヤクルト・村上は12球団唯一の全試合四番出場
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2年続けて全試合出場を果たした村上
今季、全120試合に出場した選手は以下の10人だ。
●セ・リーグ全試合出場選手
丸佳浩(
巨人)
京田陽太(
中日)
村上宗隆(
ヤクルト)
近本光司(
阪神)
●パ・リーグ全試合出場選手
中村奨吾(
ロッテ)
浅村栄斗(
楽天)
鈴木大地(楽天)
外崎修汰(
西武)
源田壮亮(西武)
吉田正尚(
オリックス)
2019年シーズンはセ・リーグが8人、パ・リーグが7人だったので、比べるとやはり少なくなった。チームの内訳を見ると、楽天と西武がともに2人。この2チームは昨年も両リーグトップタイとなる3人の全試合出場選手を輩出していたが、今シーズンも引き続き両リーグトップとなった。
全試合出場選手の中で、「全試合スタメン」だったのは、丸、京田、村上、中村、浅村、鈴木、外崎の7人。このうち、ヤクルトの村上は全試合四番でスタメン出場。12球団で唯一、年間を通して四番の座を維持し続けた選手だ。昨シーズン、高卒2年目ながら36本塁打をマークした逸材は、見事にチームの大黒柱に成長した。打撃だけでなくタフさも兼ね備えており、今後も非常に楽しみな選手だ。
全試合出場が継続中なのは?
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打線の核として今季も試合に出続けた浅村
今シーズン、見事に全試合出場を果たした10選手のうち、全試合出場記録を継続中なのは以下の6選手だ。
丸佳浩(巨人)……2年連続
村上宗隆(ヤクルト)……2年連続
中村奨吾(ロッテ)……3年連続
浅村栄斗(楽天)……5年連続
外崎修汰(西武)……2年連続
吉田正尚(オリックス)……3年連続
継続中の選手の中で最長なのが楽天の浅村。西武時代の2016年に全143試合出場を果たすと、そこから5年連続で全試合に出場している。浅村はパワーとバットコントロール技術、さらには勝負強さを兼ね備えたNPB屈指の強打者だが、それ以上に全試合出場を続ける頑丈さも大きな武器。日本記録は
衣笠祥雄の17年連続だが、どこまで迫れるか今後の期待したいところだ。
難しいシーズンとなったものの、見事に10人の選手が全試合出場を果たした今シーズン。来季は再び143試合が予定されているが、果たして何人が全試合出場を達成するだろうか。また、現在継続中の6選手は記録を伸ばせるか、その点にも注目したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM