
決意の再出発となる
石井一久GM兼任監督が11月27日、昨季のセーブ王・
松井裕樹を来季から再びクローザーとして起用することを明らかにした。今季は先発として10試合に登板して3勝3敗。途中、不調により二軍再調整もあり、9月末からはブルペン待機に回っていた。
「来年は抑えをしっかりやってほしい。先発をやったことが彼の野球人生にとって遠回りではない。いろいろな引き出しを作って今年のシーズンを終えることができた」。先発として結果こそ残せなかったが、石井一監督は裏スの面もあったことを強調した。
この日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の2億5000万円(推定)で更改した松井は、今季を振り返ってこう言う。
「ワインドアップが合わなかった。先発もやりましたし、イニング途中の左打者、セットアッパー、クローザーもすべてやって、ひと通り経験できたことはよかった」
満足できる数字は残せなかったが、石井一監督の見解と同様に、決してマイナス面ばかりではなかったようだ。「昨年までリリーフをやっていましたが、リリーフから見ても僕の先発というのは負担が大きかったし、終盤にリリーフに入ってから自分の任せてもらったところで投げられていた」と、あらためて自身の適性を実感した。
「日本シリーズを見て、最後の優勝のマウンドに立っていたいという気持ちを強くした」と松井。今季終盤に見せた9回のピッチングは圧巻の一語だった。苦い経験をプラスに転じ、来季はさらにスケールアップした姿が見られるかもしれない。
写真=BBM