コロナ禍で大きな影響も

一軍でプロ初安打もマークした井上
阪神二軍
ウエスタン・リーグ5位
82試合30勝44敗8分、勝率.405
今季は5人の高卒を獲得し、育成を中心とした方針で戦ったシーズンだった。それと同時に新型コロナウイルスに大きく左右された阪神のファームだった。
3月に二軍でプレーしていた
長坂拳弥と
伊藤隼太が新型コロナウイルスで陽性となった。長坂は寮生であったため、虎風荘は全消毒を行い、寮生たちを一時地元に帰省させたり、ホテルで隔離生活を送ったりすることになる。感染のない球団と比較すると2週間も体を動かせないというハンデを背負ってのシーズンスタートでもあった。
そういう苦しい中での船出だったが、
平田勝男監督は高卒でドラフト2位、右の大砲として期待される
井上広大を開幕から四番に抜擢する。「打つだけの選手になってほしくない。将来のタイガースを背負って立つんだという気持ちを強く持たせたい」と厳しい指導を施してきた。その成果もあり、井上本人にも自覚が芽生えた。実際にリーグ2位となる9本塁打を放ち、大砲の片りんを見せた。
また、ドラフト1位の
西純矢を中盤以降、先発ローテーションの一角として投げさせ、チーム最多の4勝。ドラフト4位の
遠藤成もチームで3番目に多い62試合に出場させるなど、積極的に試合経験を積ませた。
9月に入り、一軍から5人の新型コロナ陽性者が出て、二軍は人数不足になり最下位となったが、来季は今季の経験を生かし、高卒2年目の選手たちが飛躍を目指す。
写真=BBM