11月8日の
巨人対
ヤクルト戦(東京ドーム)で、巨人の
坂本勇人が史上53人目の2000安打を達成した。その後、シーズン終了までに3本のヒットを加え、通算安打数は2003本。これは現役選手では3番目に多い安打数だ。では、現役最多は誰なのかをご存じだろうか?
今回は、意外と知らない人も多い現役最多記録を紹介する。
坂本は31歳ながらすでに2部門で現役最多

巨人・坂本勇人
●安打……
内川聖一(無所属)2171本
安打数で現役最多は、今シーズンで
ソフトバンクを退団した内川聖一。通算打率は3割を超え、両リーグで首位打者、最多安打のタイトルにも輝いている。今季2000安打達成の坂本とは168本差だが、坂本はまだ31歳と若く、今後内川を超える可能性は高い。ちなみに、現役通算安打の上位選手はいずれも30代後半や40代といったベテラン。その中で3位に31歳の坂本が入っているというのは驚異的だ。
<<現役安打数TOP5>>
1位 内川聖一 2171本
2位
鳥谷敬 2090本
3位 坂本勇人 2003本
4位
栗山巧 1926本
5位
福留孝介 1909本
●得点……坂本勇人(巨人)1047得点
通算記録は長くプレーしているベテラン選手が上位になるものだが、30歳前後の若い選手が現役最多という例もある。この「通算得点」も、31歳と若い坂本が現役最多。歴代最多は
王貞治が残した1967得点というとんでもない数字だが、坂本がこのアンタッチャブルな記録にどこまで迫れるのか楽しみだ。
<<現役得点TOP5>>
1位 坂本勇人 1047得点
2位 福留孝介 1023得点
3位 鳥谷敬 997得点
4位
中村剛也 932得点
5位
青木宣親 897得点
●三塁打……松田宣浩(ソフトバンク)63本
通算二塁打はよくクローズアップされるが、意外と知らない人が多いのが三塁打。二塁打最多が福留孝介なので、三塁打も福留と思う人もいるが、実は現役最多はソフトバンクの松田なのだ。近年は盗塁が少ないため快足のイメージはないだろうが、三塁到達までのスピードはリーグ屈指。1シーズンに10本も三塁打を放ったこともあった。また、松田に次ぐ本数なのはヤクルトの
坂口智隆。松田に9本差の54本となっている。
<<現役三塁打TOP5>>
1位 松田宣浩 63本
2位 坂口智隆 54本
3位 福留孝介 50本
4位 鳥谷敬 49本
4位
西川遥輝 49本
●故意四球……坂本勇人(巨人)47回
故意四球、いわゆる敬遠は、
広島の
石原慶幸が通算50でこれまで現役最多だった。捕手で敬遠数最多というのは驚きだが、今シーズンで現役を引退。代わって現役トップに立ったのが47回の故意四球を経験している巨人の坂本だ。坂本は31歳という若さにして、すでに得点と故意四球の2部門で現役最多となっている。ちなみに、現役4位は
オリックスの
吉田正尚。なんとプロ生活わずか5年で41回と、驚異的なペースで敬遠されているのだ。このペースだと来季は坂本を超えてトップに立つ可能性も十分にある。
<<現役故意四球TOP5>>
1位 坂本勇人 47回
2位 青木宣親 45回
3位
糸井嘉男 41回
3位 吉田正尚 41回
5位 福留孝介 35回
5位
バレンティン 35回
5位
柳田悠岐 35回
●セーブ……デニス・サファテ(ソフトバンク)234セーブ
これまでは、
阪神・
藤川球児の243セーブが現役最多セーブ数だった。しかし、今シーズン限りで藤川が現役を引退したため、ソフトバンクのデニス・サファテが現役最多に躍り出ることとなった。2011年に来日してはや10年。ここ2シーズンは股関節の故障で一軍登板がないが、最多セーブは通算3回。2017年にはNPB記録となるシーズン54セーブを達成するなど、歴代最高の助っ人クローザーだ。まだ復帰には時間がかかりそうだが、どこまでセーブ数を積み重ねるのか注目だ。
<<現役セーブTOP5>>
1位 サファテ 234セーブ
2位
山崎康晃 169セーブ
3位
増井浩俊 163セーブ
4位
松井裕樹 141セーブ
5位
増田達至 136セーブ
現役通算記録の中で、意外と知らない数字を紹介した。得点、故意四球と、31歳の若さながらすでに2部門で現役トップに立っている坂本。攻守走に優れているため、現在上位ではない部門でも今後の展開次第で現役トップに入る可能性が十分にある。もしかすると、今から数年もすれば、現役記録のトップには坂本の名前が並んでいるかもしれない。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM