四番打者に期待されるのは、強力な一打で得点を稼ぐこと。そうした意味では、今季の打点王になった
巨人・
岡本和真と
日本ハム・
中田翔は最もチームに貢献した四番打者といえる。では、チームの総得点のうち、四番が叩き出した点数の「割合」が最も高いチームはどこなのだろうか?
四番がきっちりと仕事をこなした日本ハム

今季は4年ぶり3度目の打点王に輝いた日本ハム・中田翔
今季、主に四番を務めた選手の打点が、チーム総得点の何割を占めるのかをチームごとに調べてみた。その結果、割合が高い順のTOP6は以下のようになった。
●第1位 日本ハム(21.9%)
チーム総得点:493
四番打者打点・中田翔:108打点
●第2位
中日(19.1%)
チーム総得点:429
四番打者打点・
ビシエド:82打点
●第3位
楽天(18.7%)
チーム総得点:557
四番打者打点・
浅村栄斗:104打点
●第4位
ヤクルト(18.4%)
チーム総得点:468
四番打者打点・
村上宗隆:86打点
●第5位 巨人(18.2%)
チーム総得点:532
四番打者打点・岡本和真:97打点
●第6位
阪神(17.2%)
チーム総得点:494
四番打者打点・
大山悠輔:85打点
チーム総得点のうち、四番打者の打点の占める割合が最も高かったのは日本ハム。今季パの打点王となった中田翔は、チーム総得点の2割を超える点数を自らのバットで生み出した。しかし、ここまで四番が活躍しながらチームはBクラス。来季の巻き返しに期待したい。
日本ハムに次ぐ数字だったのは、8年ぶりのAクラス入りを果たした中日。不動の四番・ビシエドは序盤は不調だったが、シーズン中盤から盛り返してチーム二冠に。そもそも得点力のない打線だけに、ビシエドの貢献度は非常に高い。
3位には楽天、4位はヤクルト、5位にセの優勝チーム・巨人という並びとなった。いずれも四番の打点がチーム総得点の2割近い数字となっている。どれだけ打点を稼げるかは、前を打つ選手次第という部分もあるが、これらのチームは四番がきっちりと仕事をしたといえる。6位は阪神の大山。こちらは残念ながら生え抜きでは
今岡誠以来の打点王とはなれなかったが、来季に期待が持てる結果を残した。
日本一チームは四番の貢献度は関係ない?
続いて、7位以下の6チームをまとめてみた。
●7位
西武(15.2%)
チーム総得点:479
四番打者打点・
山川穂高:73打点
●8位
広島(14.3%)
チーム総得点:523
四番打者打点・
鈴木誠也:75打点
●9位
DeNA(13.3%)
チーム総得点:516
四番打者打点・
佐野恵太:69打点
●10位
ロッテ(11.7%)
チーム総得点:461
四番打者打点・
安田尚憲:54打点
●11位
オリックス(9.7%)
チーム総得点:442
四番打者打点・
ジョーンズ:43打点
●12位 ソフトバンク(6.5%)
チーム総得点:531
四番打者打点・グラシアル:35打点
7位は西武。打線に昨季までの破壊力がなかったが、主砲・山川の調子がなかなか上がらなかった影響も大きいだろう。広島の鈴木もチームトップの25本塁打を放つも、打点は思ったよりも伸びなかった。9位のDeNA・佐野は四番起用に応えて首位打者となったが、打点はチーム2位。ロッテの安田も大健闘の1年ではあったが、主砲としてはさらなる成長が必要だ。
ブービーはオリックスで6.5%。今季は主に期待の助っ人・ジョーンズが中盤まで四番を担ったが、43打点と期待外れだった。一方、主に三番だった
吉田正尚は首位打者を獲得し、64打点はチームトップ。こちらの貢献度の方が圧倒的に高かった。
最下位は、なんと日本一になったソフトバンク。今季のソフトバンクは四番に座った選手が軒並み思うような活躍ができず。終盤戦はグラシアルが主に四番を任されたが、確固たる四番打者が不在の1年だった。それでも圧倒的な力でリーグと日本シリーズを制覇。恐るべきチーム力だ。
チーム総得点のうち、四番打が叩き出した点数の割合が高かったのは日本ハムという結果になった。四番の中田は打点王だけでなく、本塁打王にも1本差。打者が不利な球場ということを踏まえると、大健闘の1年だったのではないだろうか。さて、来季はどのチームの四番打者が目覚ましい活躍を見せてくれるのか、今から楽しみに待ちたい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM