新型コロナウイルスの影響で今年のペナントレースは外国人枠が5人に拡大されたシーズンだった。ベンチ入りは従来どおり4人までで投手、野手とも最大3人が出場可能だったが、外国人の活躍はチームの命運を大きく握っている。12球団の外国人選手の働きぶりはどうだっただろうか。
セ・リーグ 最高得点は中日
1位 巨人 70点
★投手
サンチェス 15試合、8勝4敗、防御率3.08
C.C.メルセデス 11試合、4勝4敗、防御率3.10
デラロサ 35試合、2勝0敗5H17S、防御率2.56
ビエイラ 27試合、0勝1敗2H、防御率3.28
ディプラン 2試合、0勝0敗、防御率19.29
★野手
ウィーラー 98試合、打率.247、12本塁打、36打点
パーラ 47試合、打率.267、4本塁打、13打点
ウレーニャ 11試合、打率.167、0本塁打、0打点
モタ 9試合、打率.222、1本塁打、4打点
故障離脱はあったものの、来日1年目のサンチェスは先発で及第点か。デラロサもクローザーとしてまずまずのデキ。楽天からシーズン途中に加入したウィーラーは数字以上に貢献度は高い。パーラも故障で途中離脱したが、開幕ダッシュに大きく貢献した。
2位
阪神 65点
★投手
ガルシア 14試合、2勝6敗、防御率4.42
エドワーズ 23試合、0勝1敗12H、防御率2.38
ガンケル 28試合、2勝4敗11H、防御率3.18
スアレス 51試合、3勝1敗8H25S、防御率2.24
★野手
サンズ 110試合、打率.257、19本塁打、64打点
ボーア 99試合、打率.243、17本塁打、45打点
マルテ 29試合、打率252、4本塁打、14打点
スアレスはシーズン途中で守護神を託されると、相手打線を圧倒する投球で抜群の安定感だった。ボーア、サンズは来日1年目で新型コロナウイルスによる調整の難しさを配慮するとまずまずの成績か。来日2年目のマルテが故障でわずか29試合出場は誤算だった。
3位
中日 75点
★投手
ロドリゲス 11試合、3勝4敗、防御率4.12
ゴンサレス 28試合、0勝0敗4H、防御率4.78
R.マルティネス 40試合、2勝0敗7H21S、防御率1.13
★野手
ビシエド 109試合、打率.267、17本塁打、82打点
アルモンテ 62試合、打率.294、9本塁打、29打点
A.マルティネス 39試合、打率.295、2本塁打、13打点
シエラ 25試合、打率.225、1本塁打、7打点
最速160キロの直球で制球も安定しているR.マルティネスは球界屈指の守護神に。ロドリゲスも球の質が高く、可能性を感じさせた。打線も不動の四番・ビシエドが健在。捕手のA.マルティネスも育成枠から支配下に昇格してチームの起爆剤になった。

ソトは新たに3年契約を結び、来季以降もDeNAでプレーする
4位 DeNA 60点
★投手
ピープルズ 10試合、2勝2敗、防御率4.97
パットン 57試合、3勝2敗19H、防御率4.92
エスコバー 56試合、1勝4敗17H、防御率2.33
★野手
ソト 114試合、打率.252、25本塁打、78打点
ロペス 81試合、打率.246、12本塁打、42打点
オースティン 65試合、打率.286、20本塁打、56打点
外国人個々の能力を見ると12球団の中でも高いレベルだが、オースティンは度重なる故障で65試合出場のみ。ソトも打撃で好調の期間が短く、二塁の守備も手痛いミスが目立った。ロペスはチームの精神的支柱だっただけに退団でどう影響を及ぼすか。
5位
広島 40点
★投手
K.ジョンソン 10試合、0勝7敗、防御率6.10
フランスア 53試合、2勝3敗7H19S、防御率2.45
スコット 7試合、0勝3敗、防御率15.75
モンティージャ 1試合、0勝0敗、防御率18.00
★野手
ピレラ 99試合、打率.266、11本塁打、34打点
メヒア 37試合、打率.188、2本塁打、4打点
先発の中心だったK.ジョンソンがまさかの未勝利。守護神として期待されたスコットはまったく結果が出せず大誤算だった。フランスアは後半戦に守護神に固定され、唯一の及第点か。ピレラはレギュラー当落線上の成績に終始し、1年で去ることに。
6位
ヤクルト 30点
★投手
イノーア 9試合、0勝3敗、防御率10.13
スアレス 12試合、4勝4敗、防御率2.67
マクガフ 50試合、4勝1敗23H、防御率3.91
クック 7試合、0勝3敗、防御率7.88
★野手
エスコバー 104試合、打率.273、1本塁打、30打点
先発陣のコマ不足が深刻な状況で加入したイノーア、クックがともに未勝利と戦力にならず。守備力に定評があるエスコバーに打撃で覚醒を求めるのは酷だろう。得点力アップへ強打者が必要な中で、チームの補強ポイントに合致しているのか疑問が残った。
パ・リーグ 最高得点はソフトバンク

40ホールドポイントを挙げ最優秀中継ぎ投手に輝いたモイネロ
1位
ソフトバンク 75点
★投手
ムーア 13試合、6勝3敗、防御率2.65
バンデンハーク 5試合、2勝2敗、防御率6.92
モイネロ 50試合、2勝3敗38H、防御率1.69
★野手
バレンティン 60試合、打率.168、9本塁打、22打点
グラシアル 69試合、打率.277、10本塁打、35打点
デスパイネ 25試合、打率.224、6本塁打、12打点
ヤクルトから加入のバレンティンが打撃不振、グラシアル、デスパイネも新型コロナウイルスの影響で来日が遅れたが、モイネロの活躍が光った。救援で抜群の安定感を誇り、貢献度はMVP級。ムーアも故障で2カ月離脱したが先発で試合を作る能力は高かった。
2位
ロッテ 70点
★投手
チェン・ウェイン 4試合、0勝3敗、防御率2.42
チェン・グァンユウ 19試合、1勝0敗2H、防御率3.20
ハーマン 38試合、3勝2敗23H1S、防御率2.15
フローレス 14試合、2勝2敗1H、防御率7.66
ジャクソン 7試合、0勝0敗3H1S、防御率3.86
★野手
マーティン 104試合、打率234、25本塁打、65打点
レアード 39試合、打率.233、6本塁打、15打点
ジャクソンがシーズン途中で退団したが、ハーマンがカバーして余りある活躍。レアードが腰痛で長期離脱したが、マーティンが勝負強い打撃と強肩を誇る右翼の守備でチームを支えた。途中加入したチェン・ウェインは好投を続けたが打線の援護に恵まれなかった。
3位
西武 50点
★投手
ニール 21試合、6勝8敗、防御率5.22
ノリン 5試合、1勝2敗、防御率6.75
ギャレット 49試合、3勝2敗16H、防御率3.10
★野手
スパンジェンバーグ 111試合、打率.268、15本塁打、57打点
メヒア 74試合、打率.207、11本塁打、33打点
昨季は11連勝を含む12勝1敗と大活躍したニールが不安定だったのが誤算だった。先発の層が薄いチーム事情で助っ人の頑張りが不可欠だが、ノリンも5試合登板のみ。スパンジェンバーグは複数のポジションを守りパンチ力もあるが、150三振と粗さも目立った。

ロメロは24本塁打と楽天打線に欠かせない存在となった
4位 楽天 55点
★投手
ブセニッツ 46試合、1勝4敗13H18S、防御率2.86
シャギワ 31試合、0勝3敗6H1S、防御率5.81
D.J.ジョンソン 16試合、1勝0敗4H、防御率3.07
14試合、0勝0敗1H、防御率4.61 ※広島在籍時
★野手
ロメロ 103試合、打率.272、24本塁打、63打点
ブラッシュ 37試合、打率.235、2本塁打、18打点
ロメロが中軸でポイントゲッターになったが、前年33本塁打のブラッシュが大不振。投手陣はブセニッツがシーズン途中で守護神に配置転換されてまずまずの成績。シャギワはセットアッパーで期待されたが、チームのウイークポイントを埋められなかった。
5位
日本ハム 45点
★投手
バーヘイゲン 18試合、8勝6敗、防御率3.22
マルティネス 17試合、2勝7敗1H1S、防御率4.62
ロドリゲス 7試合、0勝0敗3H、防御率2.25
★野手
ビヤヌエバ 54試合、打率.220、4本塁打、19打点
王柏融 52試合、打率.207、2本塁打、9打点
バーヘイゲンはチームトップタイの8勝と先発で稼働したが、マルティネスは不安的な投球で本来の輝きを取り戻せず。巨人から加入したビヤヌエバも助っ人の成績としては寂しい。打線は上積みがないに等しかった。
6位
オリックス 65点
★投手
アルバース 16試合、4勝8敗、防御率3.94
ヒギンス 41試合、3勝3敗19H、防御率2.40
ディクソン 39試合、0勝4敗5H16S、防御率3.28
★野手
ジョーンズ 87試合、打率.258、12本塁打、43打点
モヤ 46試合、打率.274、12本塁打、38打点
ロドリゲス 59試合、打率.218、6本塁打、25打点
ヒギンスはセットアッパーで大活躍。ディクソンも守護神で奮闘した。メジャー通算1939安打のジョーンズは
吉田正尚とともに打線を牽引することを求められたが、物足りない数字。日本野球に慣れた2年目の爆発に期待したい。
写真=BBM