
今季は118試合に出場し、打率.300、25本塁打、75打点をマークした鈴木
V争いにからむこともなく、下位に沈んだ。「チームの勝利のために」という気持ちが誰よりも強い主砲には、苦しいシーズンだった。
昨秋のプレミア12で「ニッポンの四番」の称号を手にした
鈴木誠也には、今季、とんでもない数字を残すのでは、との期待が渦巻いていた。
実際、開幕直後の打棒はすさまじかった。6月20日
DeNA戦(横浜)では右へソロ、左へ満塁弾と2発5打点。6月はわずか9試合で5本塁打、9打点だ。7月も勢い衰えず4発18打点。7月末の打率は.341だ。しかし、8月からは調子を落とした。8、9月の月間打率は、2割6分台。9月28日からは、チーム事情もあり、打順は三番になった。
その効果かどうか、10月は復調気配。18日の
中日戦(マツダ
広島)で24号3ランを放ったときには、「今のチーム状況でも球場に来てくれる人たちのために、少しでも喜んでもらえるよう頑張ります」と、主砲としての責任感をにじませた。
最終的に5年連続3割に到達したが、ここ一番で勝負をしてもらえるケースが少なく、今季、殊勲打は多くはない。それでも存在感は別格で、「鈴木誠也あってのカープ」であることは変わらない。チームの浮上へ、持てる力をどう形に変えていくか。来季もその闘いが続いていく。
写真=BBM