
今季は50盗塁をマークして初のタイトルに輝いた周東
シーズン中盤から一気にチームに欠かせない存在へと変貌を遂げた。自身の武器である足同様に、その成長スピードもすさまじい。開幕当初は控えでベンチを温める日々が続いた
周東佑京。開幕前に二塁のポジションを争った
牧原大成の離脱などで徐々に出場機会を増やすと、やはり足で見る者を圧倒した。
今季の初盗塁は7月24日と時間を要したものの、勢いに乗れば、もう誰にも止められない。「たとえスタートが遅れても、スピードに乗れなくても、スライディングをミスっても、セーフになればいい」と積極果敢に攻め続け、10月16日から積み重ねた盗塁は、29日の
ロッテ戦(PayPayドーム)で1971、74年の
福本豊(阪急)を抜く12試合連続のプロ野球新記録を達成。翌30日の
西武戦(メットライフ)ではメジャー・リーグ記録(69年のバート・キャンパリネス、アスレチックス)も抜いた。最終的には50盗塁で自身初のタイトルも獲得。育成出身選手では初の大台到達だった。
ただ、足以上に進化を見せたのが打撃だ。しっかりとしたスイングで、9、10月はともに3割を超える打率を残した。特に日曜に限って見れば、5週連続マルチ安打などで打ちに打ちまくり、打率は4割超え。「サンデー周東」と呼ばれるほどの“大当たり”だった。
なかなか埋まることのなかったリードオフマンに周東がハマったことも、終盤の独走を支えた要因の一つでもある。まだまだ内野守備には課題を残すものの、「一番・周東」は来季以降も相手チームにとって脅威だ。
写真=BBM