
今季は106試合に出場して打率.328、20本塁打、69打点をマークした佐野
ここまでの頑張りを誰が予想できただろうか。「コミュニケーション能力があるし、セルフコントロールができる。一番、期待している」と
ラミレス監督に背中を押された2020年。
佐野恵太は特筆の働きだった。長く看板選手として貢献し、メジャー挑戦を果たした
筒香嘉智の後釜。チームにとって最大の懸案をすぐに解消し、たった1年で堂々と主軸を張るまでに成長を遂げた。
四番、左翼、そして主将。それらを同時に背負っても「筒香さんのマネをしろと言われても、簡単にはできない。自分らしく、明るく一生懸命やりたい」と初心を忘れることはなかった。昨年は代打打率.344。ここ一番の切り札は得点圏打率も.367と勝負強かった。今年のオープン戦では12球団トップの11打点。シーズン開幕から快調に安打を重ねた。打率.350を超えるハイアベレージを維持。9月12日の
中日戦(横浜)では、12球団最速のシーズン100安打に到達した。
期待された長打は今季28試合目で1号。気がつけば20本塁打に乗せ、10月16日の
巨人戦(横浜)で球団タイ記録の5戦連発を成し遂げた。左肩の負傷で全試合出場こそ逃したが、106試合で打率.328、20本塁打、69打点。同僚の梶谷と激しく首位打者を争う充実ぶりだった。ラミレス監督から
三浦大輔新監督へバトンタッチされた来季。チームの柱はまだまだ太くなる。
写真=BBM