
今季は119試合の出場で打率.239、31本塁打、108打点で打点王に輝いた中田
頼れる主砲が4年ぶりに打点王のタイトルを奪還した。119試合出場で108打点。141試合出場で110打点を挙げた2016年に次ぐ数字を残した。「出塁してくれたり、犠牲になってくれたりするチームの仲間がいるから僕が打点を挙げられている。ファンの皆さんの応援も後押しになっていますし、みんなに感謝したいです」。周囲への謝意にあふれたコメントを残したが、今季は14度の勝利打点。期待に応える勝負強さはたくましかった。
振り返れば有言実行のシーズンだった。コロナ禍に襲われる前、2月の春季キャンプ打ち上げ日。感触を問われて言った。「モノが違うというか、レベチというかね」。レベルが違うという意味の「レベチ」と表現した自身の状態を証明するかのように打点と本塁打を伸ばした。惜しくも1本差で初の本塁打王には届かなかったが、広い本拠地・札幌ドームで15本。自己最多で31本の約半数を最も本塁打が出にくいと言われる球場で打てたことは、まさにレベチの打撃だ。
シーズン終盤は過密日程の疲れも出て打撃は不調だったが、四番として116試合にスタメン出場。若手を寄せ付けず、体を張ってチームを引っ張った証拠だ。チームも2年連続の5位で「チームの成績自体はとても満足のいくものではありません。僕自身、もっともっと打つことができていればという悔しさもあります」と率直な思いを吐露した。来シーズンは14年目。「さらにレベルアップしていきたい」。今季の中田は、さらなる進化(レベチ)への過程にすぎない。
写真=BBM