打線を勢いづかせるリードオフマンは重要な役回りだ。今季
DeNAで大活躍した
梶谷隆幸は
巨人にFA移籍が決定し、
日本ハム・
西川遥輝もポスティングシステムでメジャー移籍を目指しているため退団の可能性が高い。DeNA、日本ハムはともに新たな一番打者を据えなければいけない。今季一番打者で最多出場した12球団の選手の活躍ぶりを振り返ってみよう。
・巨人 吉川尚輝 70点
※112試合出場、打率.274、8本塁打、32打点、11盗塁
一番をなかなか固定できなかったが、9月中旬から吉川が定着。最多の46試合にスタメン出場した。打撃センスが高く、俊足で潜在能力は高いが、好不調の波が激しいのが課題か。来季は
原辰徳監督の方針でDeNAからFA移籍で加入した梶谷が一番を務める。
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阪神 近本光司 80点
※120試合出場、打率.293、9本塁打、45打点、31盗塁
7月中旬まで打率1割台と打撃不振に苦しんだが、夏場から調子を取り戻した。俊足巧打のプレースタイルだが、パンチ力もある。2年目のジンクスを乗り越え、2年連続で盗塁王を獲得。不動の一番だ。
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中日 大島洋平 85点
※118試合出場、打率.316、1本塁打、30打点、16盗塁
プロ11年目で球団最速の通算1500安打をマーク。シーズン146安打を記録して2年連続で最多安打のタイトルを獲得した。ヒットゾーンに飛ばす打撃技術は球界屈指。35歳とベテランの域に入ったが、まだまだ若手には負けない。

DeNA・梶谷隆幸
・DeNA 梶谷隆幸 90点
※109試合出場、打率.323、19本塁打、53打点、14盗塁
近年は度重なる故障や若手の台頭で不本意なシーズンが続いていたが、見事に復活。9月には猛打賞を7度マークするなど月間42安打で球団最多記録を樹立した。巨人にFA移籍で打線も刷新される。新しい一番打者の最有力候補は
神里和毅か。
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広島 西川龍馬 55点
※76試合出場、打率.304、6本塁打、32打点、6盗塁
一番で最多の30試合スタメン出場した西川がコンディション不良で8月下旬から約1カ月半、戦線離脱したのが大きな痛手だった。
大盛穂、
宇草孔基が台頭したが、西川が万全の体調で1年間試合に出場できるかがチームの命運を握る。
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ヤクルト 坂口智隆 60点
※114試合出場、打率.246、9本塁打、36打点、4盗塁
前年に22試合出場に終わった坂口が奮闘。打率は高くないが、出塁率.334と他球団の一番打者に見劣りしない。ただ、脚力などを考えると六、七番を打つのが理想か。
塩見泰隆、
山崎晃大朗ら若手の台頭が望まれる。
・ソフトバンク 周東佑京 95点
※103試合出場、打率.270、1本塁打、27打点、50盗塁
9月中旬から一番に定着。13試合連続盗塁の新記録を樹立し、規定打席に不足している選手ではパリーグで初の50盗塁に到達してタイトルを獲得した。課題だった打撃も前年の打率.196から大幅に上昇。球界を代表するリードオフマンを目指す。
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ロッテ 荻野貴司 50点
※53試合出場、打率.291、1本塁打、10打点、19盗塁
開幕から3割2分を超えるハイアベレージで好調だったが、7月23日に右大腿二頭筋の筋損傷で2カ月以上戦線離脱。相手投手からすれば脅威の一番打者だけに、故障が一番の難敵だ。
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西武 金子侑司 40点
※86試合出場、打率.249、3本塁打、21打点、14盗塁
レッズに移籍した
秋山翔吾に代わる一番打者として期待されたが、機能したとは言えない。首痛で離脱した影響もあり、盗塁数も前年の41盗塁から大幅に減らした。課題の打撃で出塁率を上げたい。
・楽天 小深田大翔 75点
※112試合出場、打率.288、3本塁打、31打点、17盗塁
新人王は惜しくも届かなかったが、ドラフト1位の即戦力として期待以上の働きぶりだった。開幕当初は守備固め、代走要員だったがチャンスをつかんで一番に定着。2年目はさらなる飛躍を。
・日本ハム 西川遥輝 85点
※115試合出場、打率.306、5本塁打、39打点、42盗塁
チームは低迷したが、主将として打線を牽引した。4年ぶりの打率3割でリーグ最多の92四球を選び、出塁率.430と貢献度は高い。今オフにポスティングシステムでメジャー挑戦の意向を表明。栗山監督は西川に代わる一番打者に誰を抜擢するだろうか。
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オリックス 福田周平 40点
※76試合出場、打率.258、0本塁打、24打点、13盗塁
右手人さし指の骨折で出遅れた今季はプロ3年目で自己最少の出場76試合にとどまり、不本意な成績に終わった。身長は167センチと小柄だが闘志あふれるガッツマン。最下位からの逆襲を誓い、核弾頭として大きな花を開かせたい。
写真=BBM