
今季は75試合に出場し、打率.240、3本塁打、19打点をマークした若月
向上を期したのは打撃だった。選手会長も務める扇の要は、昨季キャリアハイとなる138試合に出場も、打撃面では振るわず。打率.178、1本塁打、21打点に終わった。それだけに「大幅に(打撃成績を)上げないといけない。大幅アップ。全部、全部です」と打撃強化に着手。オフの間も「打撃力向上」を掲げて、大阪・舞洲の球団施設で打ち込んだ。その成果が顕著に表れた。
右足に体重を乗せ、ボールを呼び込んだポイントではじき返す――。
後藤光尊打撃コーチの助言もあってフォームを改良し、7月21日の
楽天戦(楽天生命パーク)では満塁弾を記録。最終的には打率.240、3本塁打をマークした。だが、“捕手”としては、不本意な1年に。チームは開幕から連敗が込むと、1度も貯金を作ることなく最下位。中盤戦以降は自身もスタメンマスクを
伏見寅威や
頓宮裕真に渡すことも増えていった。
扇の要を守る選手会長は、責任感をにじませる。本拠地最終戦の11月6日の試合後には「不甲斐ない結果に終わってしまい、申し訳ございません」とファンに頭を下げた。今季途中からチームを指揮した
中嶋聡監督代行は、背番号37をベンチスタートにしても「若月も勉強ですよ」と寄せる期待は変わらない。
持ち前の守備力に打撃も向上。あとは、チームを勝利に導くリードを培うだけ。元捕手の新指揮官の下で、正捕手再奪取を誓う。
写真=BBM