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筑波大の151キロ左腕・佐藤隼輔が掲げた3つのテーマ「大学日本一」「ドラフト1位」「恩返し」

 

個人的には「無敗」


筑波大は練習始動日となった1月13日、報道陣の取材に応じた。チームを率いる川村卓監督(左)は151キロ左腕・佐藤隼輔に、1年を通した「真のエース」の活躍を期待している


 筑波大の151キロ左腕・佐藤隼輔(4年・仙台高)は1月13日、新年の練習始動にあたり、3つのテーマを掲げた。

 最大の目標は「大学日本一」。

 2006年秋以来となる首都大学リーグ戦優勝を目指し、代表校として出場する全日本大学選手権制覇を狙う。佐藤は投手リーダーとして、後輩にも積極的に声をかけ、最上級生としての自覚が増している。

 個人的には「無敗」。あこがれの左腕である1学年上の早川隆久(早大→楽天ドラフト1位)が、昨年1月に掲げた年間目標と同じだ。早川は春、秋を通じて東京六大学リーグ戦で7勝負けなし(春1勝、秋6勝)と、佐藤も誰もから信頼されるエース像を理想としている。

 2つ目は、進路がかかる最終学年であり「ドラフト1位」での指名にこだわる。

 仙台高時代から注目を浴び、プロ志望届を提出すれば、ドラフト指名は間違いないと言われていた。しかし、絶対的な自信を持てなかったため、筑波大への進学を志望した。学校成績では3年間、10番以内をキープする優等生。高校時代から自主性を重んじる環境に身を置き、同じスタイルだった国立大の筑波大の雰囲気に惹かれたという。「4年後にドラフト1位で指名される選手になる」と、この3年間、その志を一貫として過ごしてきた。

 3つ目。チームを勝利へ導いた上で、自身の進路を決めた後は「恩返し」である。

 筑波大・川村卓監督は同大学の准教授であり、投球の動作解析における第一人者だ。どの部位を鍛えれば、球速が増すのか、そのノウハウを熟知しており、選手に合ったプログラムを提示する。佐藤は2年春のリーグ戦後、指揮官のスペシャル強化メニューにより、短期間で146キロから一気に5キロアップした。

 同夏は大学日本代表でプレー。日米大学選手権では全5試合に救援登板して優勝に貢献し、自信を深めた。最終学年は球速を追い求めるのではなく、1年間、安定して投げ切る体力づくりを課題にしている。

 明確なビジョンの下、この3年間、順調に成長してきたのも、川村監督のコーチングなくしてあり得ない。佐藤は「ドラフト1位で入るだけでなく、長くプロ野球で活躍することで、恩を返すことができる」と固く誓う。

 国立大からのドラフト1位は、過去に1997年にオリックスに入団した筑波大・杉本友のみ。

「これから野球を志す子どもたちに、公立高校、国立大学出身でも上のステージでやれるという存在を見せたい」。佐藤は個人の思いだけではなく、視野を広げて、学生ラストイヤーを戦っていく。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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