強く振る中で、さらにバットをボールのラインに合わせるだけで、すごい打球音を出す阪神ドラフト1位の佐藤輝。今後の活躍が楽しみだ
無観客だからではない。明らかにほかの打者よりも、バットとボールの衝突音が違う。宜野座球場での打撃練習で聞こえてきた音がすごかった。「バーン!」でもない「ガシャーン!」とも違う、表現しにくいが激しい衝撃音の主は阪神のドラフト1位、
佐藤輝明だった。
ドラフト1位の打者がここまでの打球音を出した記憶がない。以前、メジャー・リーグを取材していたときに聞いたバリー・ボンズやサミー・ソーサが出す打球音に近い。大げさかもしれないが、それくらいの音量を佐藤輝は出していた。そういえば2001年、ルーキーで大活躍したカージナルス時代のアルバート・プホルスの打球音もすごかった。彼の音にも近い。
2月18日の
DeNA戦(宜野湾)ではバックスクリーンに2ランを放った。佐藤は「しっかり捉えることができたので良かったです」とコメントをしている。「しっかりボールのライン(軌道)にバットを入れることができたら、ホームランになる」という自信がある。それだけパワーにも自信がある証拠だろう。
「ホームランが一番のチームバッティング」という佐藤。今後さらにすごい打撃を見せてくれそうで楽しみだ。
文=椎屋博幸 写真=高原由佳