今年こそ殻を破るという気概

4年目を迎えた清宮。昨季は打率.190、7本塁打、22打点に終わっている
2月1日、沖縄・名護キャンプ初日。
清宮幸太郎の動きは間違いなく、昨年までとは違う気合がみなぎっていた。
「もう3年間、何もできていないので、この4年目にかける思いは相当あります。それなりのことをやってきていると思うので、自信を持ってやっていきたいです」
コンディションに何の不安もなくキャンプインしたのは4年目で初めて。オフの自主トレでも肉体を追い込むことができた。何より、今年こそは殻を破るという気概が垣間見えた。
キャンプ2日目には1学年下の
野村佑希とともに、早朝から特守に臨んだ。全体練習後にも特打、再び特守という日もあるなど、順調なスタートを切ったはずだった。暗雲が垂れ込めたのはチーム初実戦となった7日の紅白戦。スタメン予定が急きょ回避となった。右前腕の張りが理由で、ここから約1週間は別メニュー調整。普段は清宮に対して辛口コメントが多い
栗山英樹監督も「これだけ練習量をやっている分だけ、ケガを避けたい。無理をしないほうがいい」と先を見据えた判断を下した。
全体練習に復帰したのは13日で、練習量を次第に増加させていった。実戦出場は16日の
中日との練習試合(北谷)から。18日紅白戦(名護)では2打数2安打とアピールを再開。この日は指揮官も「命懸けで必死に打ちにいく姿勢は良かった」と褒めたが、期待度が高いからこそ清宮を見る目はどんどんシビアになった。
21日の中日との練習試合(名護)では今季1号となるアーチをかけた清宮に「札幌ドームなら、入らないだろう」。25日紅白戦(名護)で4打数無安打に終わると「あれだけの打席しかないのに20は文句を言いたいね」とチクリ。ただ、言葉のトーンが強くなればなるほど、清宮が主力と勝負できる状況であることを示す裏返しでもある。キャンプ終盤は連日、居残り特打も敢行した清宮は「まだまだ満足していない」。
思わぬ小休止こそあったが、キャンプでは過去一番の練習量をこなした。オープン戦初戦となった3月3日の
西武戦(札幌ドーム)では5回から一塁守備に就き、6回に
今井達也から中前打。翌日の同カードでは「六番・一塁」でスタメン出場し、3打数1安打1四球という成績を残した。守備でも軽快な動きを見せた。覚醒ヘの期待を高めているのは間違いない。
写真=BBM