東京五輪で金メダル獲得を狙う侍ジャパンで、レギュラーが固まっていないのが三塁だ。プレミア12では
ソフトバンク・
松田宣浩が全8試合中6試合でスタメン出場したが打率.125と打撃の状態が上がらず、決勝・韓国戦は
西武・
外崎修汰が先発出場した。しかし、その外崎は今月3日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で死球を受けて負傷交代。左腓骨骨折で戦線離脱し、東京五輪出場は厳しい状況となった。各球団で三塁のレギュラーを見渡すと、
巨人・
岡本和真、
ヤクルト・
村上宗隆、
中日・
高橋周平、
阪神・
大山悠輔、
DeNA・
宮崎敏郎とスラッガー、巧打者がそろう。
稲葉篤紀監督はどのような決断を下すだろうか。
※通算成績は昨季までの数字 スケールの大きい長距離砲

巨人・岡本和真
・岡本和真(巨人)
通算成績439試合出場、打率.279、96本塁打、297打点、9盗塁
プロ4年目の2018年に打率.309、33本塁打、100打点と史上最年少の22歳3カ月で「3割、30本塁打、100打点」をマーク。昨年は打率.275、31本塁打、97打点で自身初の打撃タイトルとなる本塁打王と打点王の二冠を獲得した。広角に長打を放つスケールの大きいホームランアーティストで守備技術も年々向上している。ただ、今季は開幕から調子が上がらず、4月22日現在、24試合出場で打率.218、3本塁打、16打点。ただ、21日の阪神戦(東京ドーム)で2本塁打。復調のきっかけにしたい。
三冠王も狙える左の強打者

ヤクルト・村上宗隆
・村上宗隆(ヤクルト)
通算成績269試合出場、打率.263、65本塁打、184打点、16盗塁
成長速度は球界No.1だろう。スイングスピードが速く、広角に本塁打を打てる。プロ2年目の2019年に全143試合出場で打率.231、36本塁打、96打点。高卒2年目以内のシーズンで最多本塁打、最多打点と大ブレークした。昨年は不動の四番で打率.307、28本塁打、86打点。リーグ最多の87四球で出塁率.427はリーグトップだった。ミート能力も高く、三冠王も十分に狙える強打者だ。課題の守備を磨きたい。
球界屈指の三塁守備

中日・高橋周平
・高橋周平(中日)
通算成績688試合出場、打率.262、48本塁打、275打点、6盗塁
高卒プロ7年目の2018年に二塁でレギュラーをつかみ、打率.254、11本塁打、69打点で自身初の規定打席に到達。翌19年は主将に就任し、117試合に出場、打率.293、7本塁打、59打点。昨年は打率.305、7本塁打、46本塁打で自身初の打率3割で2年連続のゴールデン・グラブ賞を受賞と着実に成長の跡を見せている。シュアな打撃に磨きがかかり、三塁の守備能力が球界屈指であることも大きな強みだ。
首位を快走するトラの四番

阪神・大山悠輔
・大山悠輔(阪神)
通算成績451試合出場、打率.268、60本塁打、247打点、11盗塁
右の長距離砲で直球に強い。2018年に打率.274、11本塁打、48打点で頭角を現すと、19年は全143試合出場で打率.258、14本塁打、76打点。殻を破り切れず、新型コロナウイルスの影響で120試合制の昨年は開幕スタメンから外れたが、7月上旬に三塁の定位置を奪取すると、巨人・岡本と熾烈な本塁打王争いを繰り広げ、116試合出場で打率.288、28本塁打、85打点。今年は本塁打王、打点王のタイトルも狙える。
高い対応力を誇るバッティング

DeNA・宮崎敏郎
・宮崎敏郎(DeNA)
通算成績694試合出場、打率.302、86本塁打、286打点、0盗塁
バットを投手側に傾けてタイミングを取り、左足を高々と上げる独特の打撃フォームで卓越したミート能力を誇る。自身初の規定打席に到達した2017年に打率.323、15本塁打、62打点で首位打者を獲得。18年は打率.318、28本塁打、71打点と長打力も格段に上がった。通算打率が3割台で初対戦の投手への対応能力が高い。侍ジャパンに選出されれば、国際試合で活躍する可能性は十分にある。
写真=BBM