
メイン講師として小学生に投げ方を教えている様子(球団提供)
7日の朝6時半、都内の自宅を出発した
高橋朋己ライオンズアカデミーコーチが自家用車を走らせて向かったのは、埼玉県熊谷市にある妻沼(めぬま)小学校。現地には、高橋コーチより1世代前に同じく変則左腕としてライオンズの一時代を支えた
星野智樹コーチの姿もあった。到着するやいなや着替えたのは、ライオンズのパーカー。そう、この後、同校の児童を相手にベースボール・チャレンジ(野球の授業)を行うためであった。
「(授業で教えるのは)2回目ですが、前回は星野さんと
金子一輝がメイン講師で僕は研修という感じでした。(慣れている2人を見て)勉強になりました」と訪問前に話していた高橋コーチだが、今回はメイン講師として訪問しただけに、緊張感もだいぶ異なる。
早速、同校の校庭を“メイン球場”に1コマ45分の授業を立て続けに3つこなすフル回転を見せた“両左腕”。まずは4年生27人に「ボールの捕り方」「投げ方」を身振り手振りを交えて基礎を学んでもらったのち、「野球型ゲーム」で盛り上がるというラインアップだった。最後に設けた質疑応答では児童たちの質問に丁寧に答えたが、続く2コマ目では4年生24人に、さらに3コマ目では5年生42人を相手にも同じラインアップを実施した。3コマとも共通していたのは、ボールを追いかけるこどもたちの笑顔。そして両コーチが見せる投げ方のお手本には歓声があがった。
アカデミーコーチ、そして野球振興やこども支援に尽力するスタッフの一員としては“ルーキー”の高橋コーチだが、その気持ちはどこまでも熱い。「いかに野球を楽しく感じてもらうか」をモットーに、こどもたちに対する“褒め”の言葉が常に響く。
「自分には3歳の息子と5歳の娘がいますが、よく一緒に野球をして遊ぶんです。うまく投げられたとき、そして打てたときは、『100点』とか『花丸』とか言って褒めると喜びます。やっぱり自分のこどもにも野球を好きになってほしいですから」
気持ちは、パパとして二児と接するときも、ライオンズのユニフォームなどを着てこどもたちに指導に当たるときも変わらない。野球と出会えたからこそ、今の自分があり、大事な仲間にも出会えた。それをあらためて感じながら、今日も高橋コーチは将来の野球界のために尽力していく。