
楽天・松井(左)は節目の150セーブ目をマーク。チームの連敗を「3」で止め、何とか首位の座を死守した
新型コロナ禍の中、パ・リーグの混戦模様に拍車が掛かった。5月3日から9日までの1週間で勝ち越しに成功したのは、1カードが延期となった
ロッテと
日本ハムのみ。首位・楽天と最下位・日本ハムのゲーム差は4.5。混戦から抜け出すのはどこか。
5月8日、
田中将大を先発に送り出した首位・楽天が最下位・日本ハムに2連敗を喫し、両者のゲーム差は3.5に縮まった。同日時点のセ・リーグでは首位・
阪神と2位・
巨人が同じゲーム差であることからも、パ・リーグの混戦ぶりが分かる。
この“異変”のきっかけは、日本ハムの新型コロナウイルス感染にあった。5月3日までのPCR検査で選手、コーチ、スタッフ計13人の感染が確認されたのだ。そのためチームは活動を停止し、3日からZOZOマリンで開催予定だったロッテとの3連戦は延期となった。
フタを開けてみれば、3日から9日までの間に勝ち越したのは、1カードの“休養”を手にしたこの2チームだった。首位の楽天は
ソフトバンク、日本ハムを相手に2勝3敗1分け。2位のソフトバンクは楽天、
西武を相手に2勝2敗2分けと、上位チームが停滞を余儀なくされた。
楽天は
涌井秀章、田中将で連敗を喫し、5カードぶりの負け越し。9日にはクローザーの
松井裕樹が史上最年少で150セーブを達成し、連敗こそ「3」で止めたが、
石井一久GM兼任監督は連敗中、「打者としていいアプローチができていない」と貧打を嘆いていた。ソフトバンクも主砲・
グラシアルが8日に負傷離脱し、
工藤公康監督は「みんなでカバーしていくしかない」。一方、今季初の同一カード3連勝を逃した日本ハム・
栗山英樹監督は「1回真っ白にして、チームを作り直すつもりでやれっていうメッセージだと思う」と前を向く。
下からの突き上げが、混パを盛り上げるきっかけとなるか。
写真=BBM