月刊誌『ベースボールマガジン』で連載している伊原春樹氏の球界回顧録。2021年3月号では落合ドラゴンズに関してつづってもらった。 中日と戦うときはスキを見せられない
2007年から10年までの
巨人と中日の順位や対戦成績などは以下だ。
【2007年】
・巨人 1位
・中日 2位
・対戦成績 12勝12敗
・CS第2ステージ 中日3勝0敗
【2008年】
・巨人 1位
・中日 3位
・対戦成績 中日14勝10敗
・CS第2ステージ 巨人3勝1敗1分け
【2009年】
・巨人 1位
・中日 2位
・対戦成績 巨人16勝8敗
・CS第2ステージ 巨人4勝1敗
【2010年】
・中日 1位
・巨人 3位
・CSファイナルステージ 中日4勝1敗
※08年から10年のCSは優勝チームに1勝のアドバンテージあり
いずれの年も
阪神を含めて巨人、中日はシーズンで優勝を争い、クライマックスシリーズ(CS)では第2ステージ、ファイナルステージと日本シリーズ進出を懸けた争いを繰り広げている。
中日はディフェンスだけではなく、打力も優れていた。特に
荒木雅博、
井端弘和の一、二番コンビだ。粘り強さがあり、出塁能力に長けていた。荒木が出塁すれば当然、スチールも警戒しなければいけない。もちろん、それだけではなくヒットエンドランなどで、さらにチャンス拡大も狙うときがあるから厄介だ。ウッズやブランコなど四番に破壊力抜群の大砲もいたが、落合野球の根幹をなしていたのは、やはりこの“アライバ”だったと思う。当然、ディフェンス面でも二遊間コンビを組み、内野陣を引き締めていたのも大きい。
巨人も中日と戦うときはより一層、気を引き締めて試合に臨んでいた。広いナゴヤドームを本拠地としており、そこで戦う際はどうしても投手戦となる。スキを見せればつけ込まれるから、より慎重になった。とはいえ、どちらかというと、こちらの力を100パーセント出し、真正面からぶつかる形で相対した。
原辰徳監督もゲーム前、「がっぷり四つで組んでいこう」と言って、チームの士気を上げていたものだ。
写真=BBM