
3回、8回に勝ち越し打を放った島内
プロ野球夢の祭典「マイナビオールスターゲーム2021」第2戦が7月17日、
楽天生命パークで行われ、パ・リーグがセ・リーグを4対3で下した。MVPには
島内宏明(楽天)が選ばれた。

2回に先制のソロを放った佐藤輝
先制したのはセ・リーグ。2回表一死で打席に入った
阪神のドラフト1位・
佐藤輝明が
宮城大弥(
オリックス)の外角直球をたたく。打球はグングン伸び、左翼席へ飛び込んだ。2019年の
近本光司(阪神)に次ぐ史上5人目のオールスター新人本塁打となり、ベンチ前では「Zポーズ」を披露。球場で観戦していた祖父母の前で見せた見事な一撃だった。

0対1の2回に同点ソロを放った杉本
しかし、パ・リーグもすかさず反撃。その裏、「全打席ホームラン狙い」と言う
杉本裕太郎(オリックス)が二死から
柳裕也(
中日)の真ん中直球を左中間へ運ぶ同点ソロ。杉本も佐藤輝に負けじとベンチ前で「昇天ポーズ」を披露した。さらに3回裏、パ・リーグはこの回から登板した
森下暢仁(
広島)を攻め、一死二、三塁とチャンスをつくる。打席にはリーグ3位の得点圏打率.368、同1位の66打点をマークしている島内。楽天が誇るクラッチヒッターは期待に応え、一、二塁間をしぶとく抜く勝ち越しの2点適時打を放った。
3回以降、セ・リーグ打線はパ・リーグ投手陣を打ちあぐねる。
松本航(
西武)、
津森宥紀(
ソフトバンク)、
則本昂大(楽天)に抑え込まれ7回までゼロ行進。4回表には先頭の
ウィーラー(
巨人)が二塁打で出塁するも、松本の前に後続が3連続空振り三振。松本は「今日は真っすぐで勝負する! と最初から決めていました。短いイニングで自分の持ち味を発揮するという意味では、今シーズン中継ぎを経験したことも大きかったです」と笑みを浮かべた。
7回裏には無死一、三塁から
栗原陵矢(ソフトバンク)の二ゴロで三走・
松田宣浩(ソフトバンク)が挟まれタッチアウト。その間に三塁を狙った一走・杉本は
梅野隆太郎(阪神)がタッチするもセーフ判定に。ここでセ・リーグの
原辰徳監督(巨人)がリクエスト。リプレー検証の結果、判定が覆りアウトになった。
8回表からは栗原がマスクをかぶる。この試合、一塁でスタメン出場した栗原は4回表から三塁、7回表から左翼の守備に就いていた。球宴で1試合4ポジションを守るのは史上初の出来事だった。この回はセ・リーグが1点を返すと、一死一、三塁からは代打・マルテ(阪神)が左翼へ同点適時打。さらに二死二、三塁で三走・
大島洋平(中日)がホームスチールを敢行。打者の
鈴木誠也(広島)がスイングし二ゴロとなり、ホームインとはならなかったが、セ・リーグの“奇策”に球場はどよめいた。
3対3の同点で迎えた8回裏には再び島内が勝負強さを見せる。一死一塁から
栗林良吏(広島)のフォークを右翼へ二塁打。一走・
小深田大翔(楽天)が一気にホームを突き、パ・リーグが勝ち越した。
9回表は
松井裕樹(楽天)が3人で締め、パ・リーグが前日の雪辱を果たし勝利を飾った。
写真=BBM