昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、戦後初、79年ぶりの中止となった全国高等学校野球選手権大会。今夏は2年ぶりの開催となり、8月9日から17日間(3回戦2日目、準々決勝、準決勝翌日の休養日を含む)
阪神甲子園球場で開催される。聖地で躍動が期待される、プロ注目の球児を紹介していく。
甲子園で最も脚光を浴びるのは、157キロ右腕・風間球打(明桜)だろう。2年夏の時点で150キロの大台突破。タテ変化のスライダー、カーブの精度も高く、チェンジアップでタイミングを外せる器用さも兼ね備える。今夏は秋田大会で3試合に投げ、26イニングで3失点、32奪三振。欲しい場面で三振を奪えるのも魅力的だ。
投手では
木村大成(北海)、
秋山正雲(二松学舎大付)、
高須大雅(静岡)、
松浦慶斗(大阪桐蔭)、
中西聖輝(智弁和歌山)、
代木大和(明徳義塾)の評価が高い。
木村は今夏の南北海道大会で150キロを計測した左腕。スライダーのキレは超高校級だ。秋山は二松学舎大付の先輩である「
大江竜聖二世」(
巨人)と言われ、ゲームメークに長ける。テンポのよい投球が持ち味の高須は、192センチの長身を生かした角度ある直球を右腕から投げ込む。今夏の静岡大会では37イニング無失点をマークした。松浦は今春センバツ1回戦(対智弁学園)では4回4失点で敗戦投手。最速150キロ左腕は甲子園でのリベンジを誓っている。中西は和歌山大会決勝で、ドラフト1位候補の
小園健太を擁す市和歌山を制した。直球にキレがあり、変化球も緩急、高低を巧みに使って相手を抑え込む右腕だ。代木は高知大会決勝で高知の154キロ右腕・
森木大智に投げ勝った総合力の高い左腕だ。
投打でポテンシャルが高いのは、
金井慎之介(横浜)と
田村俊介(愛工大名電)だ。
金井は昨秋と今春は県大会で背番号1も、今夏の神奈川大会では7を着けた。クリーンアップで強打をけん引し、投手としても復調を印象づけている。愛工大名電の主将・田村は最速145キロの左腕だが、同校で注目右腕の
寺嶋大希が投げている際には一塁を守り、シュアな打撃で魅了する。愛知大会では東邦、中京大中京、享栄と史上初の「3強」を下しての甲子園であり、深紅の大旗を狙っていく。
野手では吉岡道泰(専大松戸/外野手)、
池田陵真(大阪桐蔭/外野手)、
前川右京(智弁学園/外野手)に注目したい。左打席から鋭いスイングで広角に打ち分けるのが吉岡だ。木更津総合との千葉大会決勝は12回で決着つかずタイブレーク。13回裏にサヨナラ満塁弾を放ち甲子園切符を手に入れた。池田は大阪大会準決勝、決勝で勝負強い打撃を見せ、主将としてのリーダーシップにも注目。前川は強打を誇る智弁打線の「顔」。打席での集中力が高く、高校通算35本塁打を誇る。甘い球を仕留める選球眼も見逃せない。
写真=BBM