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2021夏の甲子園

3回戦が初戦の智弁和歌山が甲子園練習。中谷監督は「非常にありがたい時間になりました」【2021夏の甲子園】

 

甲子園の雰囲気を味わう


第10日(8月23日)の第1試合後、智弁和歌山は甲子園で30分の練習を行った。中谷仁監督は大会本部へ感謝の言葉を繰り返した(写真=高原由佳)


 2年ぶりの「甲子園練習」である。

 従来は春のセンバツを通じて、大会前に1校につき30分(2018年夏は記念大会で最多56校が出場したため、15分の甲子園見学会。19年夏からは休養日を2日に増やし、日程に余裕を持たせる必要があり20分に縮小。今大会からは休養日が3日間)、試合会場で調整の場が与えられていた。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により昨年のセンバツ大会、甲子園大会は中止。感染予防対策ガイドラインの下での大会運営となった今春のセンバツ、そして今夏も「甲子園練習」が取りやめになっていた。つまり、出場各校は「ぶっつけ本番」で初戦に挑んでいたのである。

 第10日(8月23日)の第1試合(大阪桐蔭−近江)で2回戦が終了し、3回戦進出16校が出そろった。しかし、この「16強」の中で唯一、甲子園の土を踏んでいないのは智弁和歌山だった。

 初戦(2回戦)で対戦する予定だった宮崎商が17日、新型コロナウイルスに部員などが感染したことにより出場辞退。智弁和歌山の不戦勝となった。3回戦が初戦という異例の展開。大会本部は試合を消化していないことを考慮し、23日の第1試合後に「甲子園練習」を設定した。

 30分間、気持ち良い汗をかいた。

 智弁和歌山・中谷仁監督は「試合前日にもかかわらず、柔軟な対応をしていただき、また、甲子園の雰囲気を味わうことができて、非常にありがたい時間になりました」と感謝を口にすれば、主将・宮坂厚希(3年)は「一人ひとりのモチベーションも上がっていますし、全員がやってやろう、という気持ちになっています」と、充実感ある表情で語った。

3回戦は2人の「経験値」がカギ


打撃練習など、充実の30分。本番へ向けてモチベーションはさらに高まっている(写真=牛島寿人)


 智弁和歌山は明日の第11日(24日)、第2試合で高松商(香川)と対戦する。プロ注目の152キロ右腕・小園健太を擁する市和歌山と和歌山大会決勝を戦ったのは7月27日。約1カ月ぶりの公式戦である。19日に2回戦(対作新学院)を戦った高松商のほうが「試合勘」では優位とも見られるが、智弁和歌山には「4大会連続出場」という武器がある。

 19年夏、1年生で四番を務めた徳丸天晴(3年)と、同級生の右腕・中西聖輝がベンチ入りしていた。奥川恭伸(現ヤクルト)を擁した星稜(石川)との3回戦では、延長14回タイブレークでサヨナラ負け(1対4)。4万5000人の大観衆で味わった悔しさは、忘れていないはず。8月10日の大会開幕から、2週間後に迎える初戦。投打の中心選手である、この2人の「経験値」がカギを握りそうだ。

文=岡本朋祐
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