チームが優勝するために外国人選手の活躍が必要不可欠なのは言うまでもない。今年は新型コロナ禍の影響で助っ人の来日が遅れて開幕に間に合わず、悪影響を受けた球団は多々あった。果たして、1年を通して外国人選手がどれくらい機能したのか。セ・リーグ6球団の外国人選手の100点満点で採点する。 記録は10月25日現在 読売ジャイアンツ
巨人 40点
新型コロナ禍の影響で新助っ人2人は来日が遅れたばかりか、デビュー戦でE.
テームズがアキレス腱を断裂して帰国。もう1人のJ.
スモークは合流後、主に五番に座ってまずまずの働きを見せていたものの、前半戦終了後に家族が来日できないことでストレスをため、話し合いの末に自由契約に。途中加入のS.
ハイネマンもわずか10試合の出場の後、原因不明の体調不良を訴えて帰国となった。新助っ人3人全員がシーズン終了を待たずに帰国は前代未聞だろう。V逸の要因の1つに挙げられる。そんな中、奮闘したのがZ.ウィーラーだ。故障者が相次いだ時期にも元気に打線を引っ張り、111安打、15本塁打、56打点。投げてはT.
ビエイラがクローザーに成長し、32試合連続無失点のNPB外国人新記録も達成した。来季以降のさらなる進化が期待される。
阪神タイガース
阪神 95点
今季、首位争いをするチームにだが外国人6選手がそれぞれしっかりと役割を果たしたからこその結果だ。野手から見ていくと三番に座る3年目のマルテがつなぎの打撃で打線に流れを呼べば、2年目の
サンズが勝負どころで打点を稼ぐというパターンができた。最終盤でサンズの調子が落ちた部分がマイナス5点だが、そのサンズや、一時帰国したマルテの穴を新助っ人の
ロハス・ジュニアがカバーした。投手陣では2年目の
エドワーズと新加入の
チェン・ウェインが最後までなかなか戦力にならなかったものの、
ガンケルが先発で9勝3敗と大活躍。新助っ人の
アルカンタラも先発、後半中継ぎで存在感を示した。そして、最後の最後まで激しい首位争いをしている一番の要因は、阪神2年目、クローザーの
スアレスの安定感によるもの。9回までにリードしていれば、必ず勝てるとチームに安心感を与え続け、62試合で42セーブ、防御率1.16。被本塁打0と素晴らしい投球を見せている。
東京ヤクルトスワローズ
ヤクルト 80点
及第点以上の評価を与えてもいいだろう。2019年から所属している
スコット・マクガフはクローザーとして9回を締め、同じく19年より所属のスアレスも、先発に中継ぎにとフル回転。新助っ人では、
サイスニードが6勝2敗とチームに4つの貯金をもたらしている。
バンデンハークは力になれず、9月下旬に自由契約となったものの、助っ人投手陣の活躍がなければ、今季ここまでの躍進はなかっただろう。また、新助っ人のオスナとサンタナの活躍も、優勝争いの原動力となった。オスナは10月に入って調子が落ちているが、その分サンタナが急上昇。サンタナの調子が出なければオスナが張り切るなど、支え合いながらバットでチームに貢献している。残り数試合、6年ぶりの優勝も懸かっているだけに、チームスワローズの一員として、彼らのより一層の活躍に期待がかかる。
広島東洋カープ
広島 20点
外国人選手の貢献度はセ・リーグの中で最も低いという評価は避けられないだろう。特に野手は不甲斐なかった。3Aの本塁打王の実績で、期待を持って迎えられたクロンは、6本塁打で47三振とホームラン以上に三振が目立ち、後半戦はファーム暮らし。打法改造も進まなかった。カバーのためにいたはずの
メヒアも0本塁打で打率.216。後半戦のカープ打線は外国人選手抜きで戦う結果に。投手では開幕前に育成から支配下登録になった
コルニエルがNPB最速タイ記録(のち巨人・ビエイラが更新)となる165キロをマークするなど、1勝10ホールド。そのほかでは
バードが10ホールド。スコット、
ネバラスカス、
フランスアは目立った成績を残せなかった。
中日ドラゴンズ
中日 60点
得点力不足に悩むチームにとって、今年も主砲ビシエドの存在感は大きかった。来日1年目の2016年から四番に座り続け、打線をけん引し続けている。17本塁打&70打点はやや物足りないものの、チームトップの数字。守護神の
R.マルティネスも昨年を上回る23セーブでリーグを代表する抑えに成長。投手の
ロドリゲス、捕手の
A.マルティネスは持っている力を考えれば、もう少しできただろう。誤算だったのは新加入となった
ガーバーと
ロサリオだ。ガーバーはクリーンアップを、ロサリオは勝ちパターンの中継ぎを期待されたが、どちらもまったく結果を残せなかった。合格点を与えられるのはビシエド、R.マルティネスの2人。助っ人採点は平均すれば60点が妥当なところか。
横浜DeNAベイスターズ
DeNA 70点
新型コロナ禍のため開幕までに外国人選手が来日できなかったのが痛手だった。4月にチームに合流したものの、春季キャンプ不参加はパフォーマンスに影響を及ぼした。2年連続の本塁打王、ソトがそうだった。21本塁打を放ったとはいえ、打率は低調で9月以降はスタメンを外れる試合もあった。土台となるフォームがシーズンを通して固められなかった印象だ。逆にキャンプ不参加が関係なかったのが
オースティンで打率.303、28本塁打と頼もしい存在となった。中継ぎのエスコバーも61試合に登板しブルペンを支えた。1年目の右腕ロメロでは後半戦だけで、先発で5勝を挙げてブレーク。
ピープルズ、
シャッケルフォードの投手2人はやや期待外れだった。
写真=BBM