今季、2年目を迎える2021年ドラフト1位入団選手。ルーキーイヤーは結果を残せた選手、残せなかった選手とさまざま。各々の立ち位置は違うが、すべての選手がさらなるステップアップを誓っているのは間違いない。パ・リーグ6球団の2021年ドライチの「2年目の野望」とは? 北海道日本ハムファイターズ
ルーキーイヤーの昨季はシーズン通して先発ローテーションを守り切り2ケタ勝利の10勝をマーク。東京五輪の侍ジャパン追加メンバーにも招集され、中継ぎとして金メダル獲得にも貢献した。順風満帆な1年目を終えた昨季のドライチ・伊藤大海が自主トレ公開日に掲げた今季のテーマは「攻」。「もっともっと高みを目指してく中で、守りに入ることなくいろんなことに挑戦することを攻めると捉えてやっていきたい」。現状に慢心することなく、常に探究心を持ち続ける姿勢は2年目も変わらない。目標は「チームで一番勝ち星を重ねること」。エース・
上沢直之に肩を並べられるような絶対的信頼を得られる投手へ、さらなる飛躍を目指す。
東北楽天ゴールデンイーグルス
ルーキーイヤーは24試合に登板して9勝7敗、防御率3.86という成績を残した。先発ローテーションの一角として十分な働きをし、年俸は倍増以上の3600万円(金額は推定)で更改。しかし本人は納得していなかった。「2ケタ勝利は目指していかないといけない。規定投球回も含め、チームの勝利に貢献していければ」。夏場に調子を落とし、二軍再調整になったことが悔やまれる。「10勝目がかかった試合を意識し過ぎると、自分にプレッシャーを与える」。目標をそれ以上の15勝、12勝に設定し、今季こそ2ケタの壁を越えてみせる。
オリックス・バファローズ
突きつけられた現実が向上心を呼んでいる。福岡大大濠高からドライチで入団した山下舜平大の1年目の成績は、ファーム18試合登板で2勝9敗、防御率5.48。「本当に通用しないんだ、というのが分かった」と話す一方、「結果を見たら全然ダメなようにも思えますが、経験値のなかった自分を(二軍で)1年間、先発ローテで投げさせてもらった。いい1年でした」と振り返る。投球の幅を広げるため、フォーク習得にも励むが、磨き続けるのは、こだわりのストレートだ。最速153キロのスピードが武器の右腕は2年の目標を「一軍で5勝」に設定。初昇格でのデビューの先へ。結果を求めて汗を流す。
千葉ロッテマリーンズ
新人年の昨季は開幕先発ローテーションに入ってプロ初勝利を挙げるも、一時中継ぎに配置転換もあって1勝のみ。そんな苦い思いも鈴木昭汰は力に変える。「先発、中継ぎといろいろなことをやらせていただき悔しいシーズンだったが、とても内容の濃い1年でした。これを必ずプラスにしていきたい」。夏場から体力も落ち、今オフは体力を強化させて2年目へ。「走り込みだったり、投げ込みだったり、どんどん投げていって、投げられる体力をつけたい」と飛躍を誓う。今季への意気込みは『成長』に二文字。フルシーズン投げ抜き、チームに貢献してみせる。
埼玉西武ライオンズ
昨季は「七番・DH」でプロ初出場初スタメンを果たした4月4日の
ソフトバンク戦(PayPayドーム)で初安打を本塁打で飾ったが、結局一軍での安打はこの1本のみに終わった渡部健人。だが、二軍でもフルスイングを貫いて19本塁打、64打点をマークしてイースタン2冠王に輝いた。体重100キロ超の巨漢スラッガーは自慢の強打を二軍で発揮。その経験を今季、一軍の舞台で生かしたい。本職はサード。同ポジションには通算442本塁打を誇る
中村剛也が控え、さらに昨季一軍で3本塁打を放った同期のブランドンもいる。ライバルは多いが競争を勝ち抜いて、将来の本塁打王へのきっかけをつかむシーズンにするだけだ。
福岡ソフトバンクホークス
将来チームを背負って立つ主軸として必要な経験の数々を、井上朋也は1年目からしっかりと重ねた。一軍デビューとはならなかったものの、三軍戦では主に四番を任され、二軍戦にも45試合の出場。特に後半戦はスタメン出場を増やし、「いいことも悪いこともたくさん経験できた」と振り返った。攻守走すべてで課題はたくさんあると言う。それをどれだけ克服できるかが“一軍デビュー”に懸かっている。打撃面での目標には、二軍で打率3割、2ケタ本塁打。出場機会を得るため、本職の三塁、一塁だけでなく、外野にも挑戦する。「1年間戦い抜きます」。力強く語った言葉を有言実行する。
写真=BBM