昨季は
広島・
栗林良吏と
オリックス・
宮城大弥が新人王に選出された。これで広島は2年連続での新人王輩出となった。一方で、新人王から遠去かっているのが
巨人。かつては2008年から2011年と4年連続で新人王が出たこともあったが、
澤村拓一が選出された2011年以降、10年連続で未輩出となっている。では、巨人の「新人王未選出記録」は過去何年が最長なのだろうか?
過去最長ブランクは12年

巨人最後の新人王は2011年の澤村だ
巨人の新人王未選出期間を調べ、長い順に上位5位までをまとめてみた。
※新人王該当者なしのシーズンを含む 第1位 12年(1983年:
槙原寛己~1996年:
仁志敏久)
第2位 10年(2011年:澤村拓一~継続中)
第3位 6年(1971年:
関本四十四~1978年:
角三男)
第4位 4年(2003年:
木佐貫洋~2008年:
山口鉄也)
第5位 3年(1962年:
城之内邦雄~1966年:
堀内恒夫)
同5位 3年(1999年:
上原浩治~2003年:木佐貫洋)
巨人の新人王未選出期間の最長は、1983年に槙原寛己が選出されてから1996年に仁志敏久が新人王になるまでの12年間。この期間、8勝を挙げた
水野雄仁や
河原純一といった新人王候補はいたが、選出に至らなかった。また、野手の選出としては1981年の
原辰徳以来となり、ブランクは14年。仁志が新人王に選ばれた当時は、「15年ぶりの野手新人王」ということでも注目された。

1996年には10年のブランクの末、仁志が新人王に
次に長いのが現在も継続中のブランク10年だ。先述のように、巨人は2008年に山口鉄也が新人王に輝いてから、2009年
松本哲也、2010年
長野久義、2011年澤村拓一と、4年連続で新人王を輩出。同一チームからの4年連続はプロ野球初の快挙だった。しかし、その反動なのか、澤村以降は現在まで10年連続で新人王が出ず。2013年にはルーキーの
菅野智之が13勝6敗と快投を見せたが、最多勝を獲得した
ヤクルト・
小川泰弘の前に新人王を逃している。もし今季も未選出なら最長タイ記録にリーチとなってしまう。
新人王輩出は12球団最多

1978年には6年のブランクの末、角が新人王に輝いた
3位は1971年の関本四十四から1978年の角三男までの6年。この期間は
篠塚和典や
中畑清など、その先の巨人を支える選手が入団したが、頭角を現すまで時間がかかったため新人王には縁がなかった。4位は4年、5位は3年とこのあたりにくると他の球団では当たり前のブランクになってくる。しかし、3年以上は上記6例のみ。巨人はこれまでに19人とコンスタントに新人王を輩出していることもあり、2年超輩出しないことは珍しい。それだけに、12年や10年も新人王が出ていない期間が際立つ。
ちなみに、巨人は1950年から2021年までに19人の新人王を出しているが、これは12球団最多。最初に選ばれたのが1951年の
松田清。次に1954年の
広岡達朗が選出され、1957年には
藤田元司、1958年には
長嶋茂雄が新人王に選ばれている。
巨人の新人王最長ブランクは1983年から1996年までの12年。しかし、現在10年連続未輩出中と、歴代最長に次ぐ記録を継続している状況だ。果たして今季不名誉な記録を止めることができるのか。2021年ドラフト上位の
大勢など、巨人の新人王の有資格選手に注目したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM