昨シーズンのチーム三振数を見ると、12球団最多は1207三振の
日本ハムだった。さらに一昨季、2019年は
巨人で974。では、過去10年で見た場合、どのチームが最も多く三振しているのだろうか? 「過去10年の通算チーム三振数」を調べてみた。
最多は意外にも広島
昨季の12球団三振王は佐藤輝明。173三振を喫したが、阪神は過去10年で5位の1万224三振だった
2012年から2021年までの10シーズンのチーム三振数を合計したところ、多い順に以下のようになった。
第1位
広島 通算:1万548三振
第2位
西武 通算:1万500三振
第3位 日本ハム 通算:1万491三振
第4位
DeNA 通算:1万283三振
第5位 阪神 通算:1万224三振
第6位 巨人 通算:1万202三振
第7位
ソフトバンク 通算:9855三振
第8位
楽天 通算:9665三振
第9位
中日 通算:9663三振
第10位
ヤクルト 通算:9564三振
第11位
オリックス 通算:9444三振
第12位
ロッテ 通算:9376三振
過去10年の年度別チーム三振数
最多は広島で1万548三振。過去10年でシーズン1000三振以上を8度記録し、12球団最多三振も2013年、2017年、2018年と3度記録している。意外と三振が多いチームなのだ。次いで多いのは西武で1万500三振。2014年には歴代最多の1234三振を記録するなど、強打が武器のチームだけに三振数も多い。3位は日本ハムで1万491三振。昨季12球団ワーストだったが、そもそもシーズン1000三振を過去10年で8度記録するなど、三振はコンスタントに多い。
4位から6位まではセ・リーグのチームが続く。DeNAは過去10年では巨人と並んで本塁打を量産しているチームということもあり、三振数も比例して多くなっている。これは広島、西武、日本ハムの3チームに共通する特徴だ。しかし、5位の阪神と6位の巨人はこの例に当てはまらない。阪神は本塁打は少ないが三振は多く、巨人は本塁打は多い(過去10年では12球団最多本塁打)が三振はそこまで多くないのだ。
長打に堅実さを併せ持った打線
実は7位のソフトバンクも巨人と同じで、過去10年で巨人に次ぐ1352本塁打を放ちながらも三振数は9855と1万以下。一発の破壊力だけでなく、堅実さも併せ持った打線ということだろう。10位のヤクルト、11位のオリックスも同様で、下位に沈むシーズンは多かったものの、本塁打数に比べて三振は少ない。昨季も、オリックスはリーグ最多本塁打を記録しながらも、三振数はリーグ最小。ヤクルトも本塁打はリーグ最多で三振は3位だった。
本塁打はあまり出ないが、堅実なバッティングで三振は少ないのが中日とロッテ。どちらも過去10年で100本塁打を超えたシーズンは2度しかないが、三振も少ない。特にロッテは9376三振で、12球団トップの広島とは差が約1200三振。1シーズン分もの差がある。ここ3年は本塁打数も増えており、今季は念願のリーグ優勝に向けてさらなる攻撃力アップを図りたいところだ。
チーム三振数を過去10年で見た場合、最多は広島。次いで西武、DeNAという結果だった。しかし、巨人やソフトバンクといった、上位3チーム以上の強打を誇るチームが6位、7位というのは意外に感じた人も多いだろう。昨季はルーキーだった佐藤輝明の三振数が話題になったが、今季はこうした「チーム三振数」にも注目してはいかがだろうか。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM