一般的に本塁打を量産する選手は打率が低くなる傾向にある。実際、過去5年の本塁打王で、シーズン打率3割に到達していたのは、2018年の
ソト(
DeNA)と昨季の
杉本裕太郎(
オリックス)のみ。さらにキャリア通算で3割超えとなると至難の業だ。では、通算300本塁打以上を放っている強打者で、通算打率3割以上の選手は何人いるのだろうか?
通算300本塁打以上の打率3割打者は9人

504本塁打を放ち、通算打率.311をマークしている落合
通算300本塁打以上を記録している選手は43人。このうち、打率3割以上の通算打率(4000打数以上)を残しているのは以下の9人だ。
王貞治 868本塁打/通算打率.301
落合博満 510本塁打/通算打率.311
張本勲 504本塁打/通算打率.319
長嶋茂雄 444本塁打/通算打率.305
A.
ラミレス 380本塁打/通算打率.301
小笠原道大 378本塁打/通算打率.310
A.
カブレラ 357本塁打/通算打率.303
松井秀喜 332本塁打/通算打率.304
和田一浩 319本塁打/通算打率.303
※通算本塁打数順 王貞治は、通算868本塁打を放ちながらも通算打率は3割超え。首位打者を5回獲得するなど、卓越したバットコントロールも兼ね備えていたまさに怪物だ。NPB史上唯一の「3度の三冠王」になった落合博満も通算打率は.311と高く、歴代8位にランクインしている。
500本塁打以上の選手で最も通算打率が高いのが張本勲だ。通算打率は歴代4位の.319。本塁打も歴代7位タイと驚異的な数字を残している。通算444本塁打を放った長嶋茂雄も、通算打率3割以上を記録している選手。首位打者は6度獲得しており、3年連続は王と並ぶセ・リーグタイ記録だ。
ヤクルト、
巨人、DeNAと3球団で活躍したアレックス・ラミレスも380本塁打で通算打率.301と優秀な成績を残した。助っ人外国人の中でも、特にパワーとバットコントロールの両方に秀でた選手だったのではないだろうか。一方、「圧倒的なパワー」の印象が強いのがアレックス・カブレラ。しかし、バットコントロール技術も高く、通算打率は3割をキープしている。タイミングさえかみ合えば、三冠王になれる可能性も十分にあった。
通算378本塁打の小笠原道大は、歴代9位の通算打率.310を記録。歴代8位の落合とはわずか.0008差だ。松井秀喜も通算打率は.304をマーク。通算打率でいえば、巨人の偉大なレジェンド・王を超えている。
西武、
中日でプレーした和田一浩は首位打者を1度しか獲得していないが、大崩れするシーズンはほとんどない安定感抜群の打者だった。
現役選手で可能性があるのは?

現役では柳田が“300本塁打&打率3割”の可能性が十分にある
ちなみに、現役打者でこの中に入りそうなのが、
ソフトバンクの
柳田悠岐だ。現在、通算214本塁打。NPBの通算打率の基準である「4000打数」まで残り54打数の3946打数で、通算打率は.319となっている。この調子を維持できれば、10人目の通算300本塁打以上、通算打率3割を記録できるかもしれない。
「300本塁打以上で通算打率3割を超えている選手」を調べてみたが、該当したのは通算300本以上を記録した43人のうち9人。やはり本塁打と打率の両方で高い数字を残すのはそう簡単ではないようだ。実際、首位打者と最多本塁打の2冠は過去7人しかおらず、1992年の
ジャック・ハウエル(ヤクルト)以来出ていない。今季は、本塁打と首位打者の2冠を制し、将来500本塁打、通算打率3割を記録する選手は出てくるのか。ぜひ注目したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM