“首位打者”は三冠王3人のデッドヒート

ロッテ時代に3度、三冠王に輝いた落合
1980年代にプロ野球で最多の三冠王3度と、絶頂期にいた
落合博満。82年、85年、86年、いずれもロッテ時代だった。
では、80年代の10年間ではどうか。落合は79年に25歳でプロ入り。翌80年に57試合の出場ながら15本塁打を放って、その翌81年に初めて規定打席に到達している。一方、80年代は三冠王の“量産期”でもあった。84年には落合のいたパ・リーグで阪急(現在の
オリックス)の
ブーマーが、翌85年からは落合と並んでセ・リーグで
阪神のバースが三冠王に。平成の時代はダイエー(現在の
ソフトバンク)の
松中信彦が2004年に輝いただけだったから、いかに豊作だったかが分かる。
まず、“本塁打王”から。落合が本塁打王のタイトルを獲得したのは三冠王となった3年のみで、82年が32本塁打、85年が自己最多の52本塁打、86年が50本塁打。ちなみに最後の86年は三冠王を確定させると、そこから若手にチャンスを譲って出場せず、まさに“打ち止め”となっている。80年代の10年間では340本塁打。南海(現在のソフトバンク)の
門田博光に10本の差をつけて、“本塁打王”だ。
続いて、“打点王”。落合はキャリアで5度、打点王のタイトルを獲得している。このうち4度が80年代で、
中日3年目の89年が4度目だ。10年間でも948打点で他を圧倒。ここでも2位は門田だが、114打点の差をつける“打点王”となっている。
最後は“首位打者”。落合は10年間で首位打者のタイトルは5度。81年から3年連続もあった。通算打率の“規定打席”とされるのが4000打数だから、その半分、2000打数を超えた選手に絞ると、三冠王3人が上位に並んだ。3位が在籍7年のブーマーで、打率.3275。2位が落合だ。もちろん在籍10年で、打率.3278。“首位打者”は打率.337のバースだ。在籍6年、全盛期に退団したこともあって、この点では有利か。ちなみに、4位が
巨人の
クロマティ、5位がロッテのリーで、ともに在籍10年に届かず。6位の
若松勉が在籍10年の打者に限定すれば2位となる。ちなみに落合の1198出場は6位。落合の1367安打は、やはり2位となる。“最多安打”は
広島の
高橋慶彦で1425安打だ。
文=犬企画マンホール 写真=BBM