楽天が加入した2005年からの外国人打者の在籍年数を調べてみた(今季も含む。育成選手のみの在籍者は除き、年数は支配下登録のみ。2005年に在籍した外国人は、それ以前もカウント)。今回はパ・リーグ編。
●パ・リーグ
オ ロ 楽 ソ 日 西
1年 17 10 26 12 13 7
2年 8 11 6 6 3 8
3年 5 2 2 2 2 0
4年 3 2 2 2 3 1
5年 0 0 0 1 0 0
6年 0 1 1 1 1 0
7年 0 0 0 0 0 1
8年 0 0 0 0 0 1
合計 33 26 37 24 22 18
オリックス・バファローズ

ラロッカは2007年から2010年までの4年間、オリックスでプレーした
昨年25年ぶりにリーグ優勝を果たしたオリックス。ただ外国人野手4人はモヤの106試合が最高。2年目の
ジョーンズは代打として活躍。楽天から再入団した
ロメロは途中退団し、終盤に
ラベロが加入した。規定打席には誰も到達しなかったが、オリックスの外国人で規定打席に到達したのは2018年のロメロ(打率.237=26位、25本塁打)が最後。それどころか2015年以降でもロメロ1人と近年あまり外国人野手には恵まれていない。
もっとも在籍が長いのはラロッカ(2007~2010年)と
バルディリス(2010~2013年)の4年だが、ラロッカは
ヤクルト、バルディリスは
阪神からの移籍組。3年在籍したのは6人いるのだがローズ、
カブレラ、モヤが移籍組だった。2012年に獲得した
李大浩は1年目に打点王、2年目も打率.303と活躍したが
ソフトバンクに移籍。人数も33人とリーグでは楽天に次ぐ多さだ。
千葉ロッテマリーンズ

デスパイネは3年間ロッテで活躍もソフトバンクへ移籍
ロッテはオリックスとは対照的だ。3年以上は5人いて、2005年入団のベニーは規定打席に達したのは2年だけだったが、中距離ヒッターとして2009年まで5年間在籍した。ベニーの1年前に入団した
フランコも2年目の2005年は21本塁打、78打点、打率.300をマークし日本一に貢献し2006年まで在籍。2014年に途中入団したデスパイネも3年目の2016年にチームトップの24本塁打、92打点をマークしたが、オフにソフトバンクに移籍している。
今年4年目となる
レアードと
マーティンもチームに欠かせない戦力となっている。日本人選手のスラッガーが少ないチームだけに、外国人に頼らざるを得ない現状の中、その活躍は目立ったものがある。
東北楽天ゴールデンイーグルス
2005年に産声を上げた楽天は12球団でもっとも多い37人が在籍している。1年で帰国した外国人野手も26人でこれも12球団トップ。そんな中2015年に入団したウィーラーは1年目から4年連続チームトップの打点と活躍。しかし2020年
ブラッシュとロメロがいた関係で二軍スタート。活躍の場を求めて巨人に移籍し今年で3年目。楽天にとっては裏目のトレードだったかもしれない。
チーム2年目にはフェルナンデスが
西武から入団。3年間で2度3割をマークするなど活躍。また同じく2006年に日本に再来日(2003年にショートという登録名でロッテに在籍)したリックを獲得。同点から3年連続3割をマークし2008年には首位打者を獲得。創生期のチームを支えた。また日本一となった2013年は新外国人の
マギーとジョーンズが欠かせない存在だった。
福岡ソフトバンクホークス
ソフトバンクは今季6年目のデスパイネと5年目のグラシアルのキューバ勢の在籍が長い。デスパイネはロッテから移籍した2017年に35本塁打、103打点で二冠を獲得。3年連続で規定打席に到達したが、新型コロナウイルスの影響で来日が遅れたり、ケガなどもあったりここ2年間は出場減。グラシアルも2年間出場数が減っているが2019年には28本塁打、規定打席未満だが打率.319をマークした。2人ともに今季が正念場となる。2003年に入団したズレータはダイエーからソフトバンクとなった2005年に43本塁打をマーク。これは2005年以降、パ・リーグ外国人の最多本塁打になっている。
北海道日本ハムファイターズ

来日1年目の2000年に30本塁打を放ったオバンドーは6年在籍
日本ハムでもっとも在籍が長かったのは1999年入団のオバンドーで6年。長距離砲だったが2005年は24試合の出場に終わった。2004年入団の
セギノールは初年度に44本塁打でタイトルを獲得。2005年も31本塁打をマークし4年間で通算122本塁打を放った。2015年に入団したレアードも4年間在籍したが、1年目から3年連続30本塁打以上。日本一となった2016年は39本塁打でタイトルを獲得、4年間で通算131本塁打を放っている。
今年4年目となるのが
王柏融。アベレージヒッターだが、3年連続規定打席未満で2019年の打率.255が最高。チームは3年連続5位と低迷しているが、その間の外国人の2ケタ本塁打は皆無。今季はBIG BOSSの下、新外国人(ヌエニス、
アルカンタラ)の活躍も求められる。
埼玉西武ライオンズ
42年ぶりに最下位に転落した西武。昨年、新型コロナウイルスの影響で
メヒアが途中退団したが2014年から8年間とチーム史上最長の在籍だった。メヒアは2014年に途中入団して34本塁打でいきなり本塁打王を獲得。途中入団でのタイトルは史上初だった。自己最多は2016年の35本塁打で、このときは103打点と初めての100打点超え。2018年以降は代打での出場も多かったが、チャンスに強い打者だった。
2001年に入団したカブレラは翌2002年に55本塁打のシーズン日本タイ(当時)を記録。翌年も50本塁打をマーク。2005年以降も36、31、27本塁打を放ちチームの中核を担い、在籍7年で通算273本塁打をマークした。この2人は長かったが、次は4年のフェルナンデス。2004年に入団し2006年は楽天に移籍したが、2010年から2年間再び西武でプレーしている。
4球団でプレーした外国人選手は?
パ・リーグでは4球団でプレーした選手もいる(2005年以前も含む)。
フェルナンデス
ロッテ 2003年
西武 2004~2005年
楽天 2006~2008年
オリックス 2009年
西武 2010途~2011年
楽天 2012年
オリックス 2013年途
オーティズ
オリックス 2003~2004年
ロッテ 2007年途~2008年
ソフトバンク 2009年途~2011年
西武 2012年途~2013年途
ペーニャ
ソフトバンク 2012~2013年
オリックス 2014年
楽天 2015年
ロッテ 2017年途
と3人で、セ・リーグは
ラミレスの3球団が最高。
3球団もカブレラ(西武、オリックス、ソフトバンク)、セギノール(オリックス、日本ハム、楽天)と2人いて、複数球団に在籍するのも近年のパ・リーグの特徴的なことでもある。
文=永山智浩 写真=BBM