開幕10試合で明暗を分けるチームが

2008、12年の巨人は開幕10試合、20試合の時点で負け越していたが優勝を果たした[写真は12年優勝時の原監督の胴上げ]
ペナントレースも約2週間を経過し、パ・リーグは各カードひと回りを終えた(セ・リーグは4月12日からのカードでひと回り)。
セ・リーグでは
広島が開幕から6連勝。一方、開幕戦8対1から
ヤクルトに大逆転負け(8対10)を喫した
阪神はセ・リーグワーストとなる開幕9連敗。パ・リーグは
ソフトバンクが開幕8連勝をマークしたが、BIGBOSSで話題の
日本ハムは開幕5連敗と明暗を分けるチームもあった。今年の開幕10試合目の成績は、
◎セ・リーグ
ヤクルト 5勝5敗 3位
阪神 1勝9敗 6位
巨人 8勝2敗 1位
広島 7勝3敗 2位
中日 5勝5敗 3位
DeNA 5勝5敗 3位
◎パ・リーグ
オリックス 4勝6敗 4位
ロッテ 5勝5敗 3位
楽天 8勝2敗 2位
ソフトバンク 9勝1敗 1位
西武 4勝6敗 4位
日本ハム 1勝9敗 6位
となる。
セは巨人、広島、パはソフトバンク、楽天が好スタートを切ったが、まだペナントレースの約7%でしかない。過去には1960年に開幕6連敗した大洋(6年連続最下位)が初優勝、その年開幕6連勝の中日は5位。1993年の広島は今年同様、開幕6連勝したものの最下位に沈んだ。交流戦が始まって(2005年)以降の優勝チーム(延べ34チーム)の開幕10試合の成績は、
8勝1敗1分 …17=広
8勝2敗………18=西
7勝1敗2分 …13=巨
7勝2敗1分 …05=神、20=巨
7勝3敗………10=中、14、19=巨
6勝2敗2分 …09=巨
6勝3敗1分 …06=中、11=ソ
6勝4敗………05=ロ、06、12=日、13=楽、14、17=ソ、18=広
5勝4敗1分 …15=ソ
5勝5敗………07=巨、09=日、15=ヤ、16=広、19=西
4勝5敗1分 …21=オ
4勝6敗………08=西、10=ソ、16=日
3勝5敗2分 …21=ヤ
3勝6敗1分 …11=中、20=ソ
2勝5敗3分 …08、12=巨
2勝7敗1分 …07=日
と、19チームが勝ち越し、勝率5割は5チーム、負け越していたのは10チームもある。平均勝数は5.29なので5割でスタートすれば十分ということになる。8勝1敗1分けだったのは2017年の広島で5月には阪神に首位を明け渡すが、6月以降は独走だった。同じく8勝を挙げたのは2018年の西武。開幕8連勝を記録し、こちらは一度も首位を譲ることなく10年ぶりのリーグ優勝を決めた。
10試合で2勝しか挙げられなかったのが2007年の日本ハムと2008、2012年の巨人。この3チームはその後も低空飛行を続けたが、日本ハムと2012年の巨人は交流戦で優勝し上昇。2008年の巨人は9月に破竹の12連勝(1分け挟む)で駆け上がった。
夏場以降の戦い方が重要
続いて開幕20試合時の優勝チームの成績は、
16勝4敗………08=西
14勝4敗2分 …13=巨
13勝5敗2分 …09=巨
13勝6敗1分 …14=ソ
13勝7敗………05=ロ、12=日、19=巨
12勝7敗1分 …06=中、11=ソ、17=広、20=巨
12勝8敗………07、14=巨、08=西、09=日、15=ヤ、18=広
11勝8敗1分 …05=神、15=ソ
11勝9敗………06=日、10=中
10勝10敗 ……10、17=ソ
9勝8敗3分 …21=ヤ
9勝10敗1分…20=ソ
9勝11敗 ……16=日
8勝11敗1分…11=中、19=西
8勝12敗 ……13=楽
7勝10敗3分…07=日
7勝12敗1分…08=巨
6勝11敗3分…21=オ
6勝13敗1分…12=巨
20試合の時点で負け越しているのはまだ9チームもある。平均勝数は10.79なので、そう大勝ちしていなくても優勝は望めるということだ。
2012年の巨人は借金7の最下位。昨年のオリックスも借金5で5位と低迷していた。オリックスに関しては野手のメンバーが固定されている時期ではなかった。それを考えると、やはり長いペナントレースは交流戦の成績、夏場以降の戦い方が重要とも言える。
4月11日現在、今季はセの阪神が1勝12敗1分け、パは日本ハムが3勝11敗と低迷しているが、このあとの立て直し次第ではまだまだ上位のチャンスはある。また好スタートを切ったチームもどこに落し穴があるか分からない。
文=永山智浩 写真=BBM