飛び抜けている佐々木朗の数字

今季、36イニングを投げ、60三振を奪っている佐々木朗
ロッテの
佐々木朗希は今季初登板となった3月27日の
楽天戦(楽天生命パーク)で、6回を投げ10奪三振。続く4月3日の
西武戦(ZOZOマリン)では8回13奪三振。完全試合を達成した10日の
オリックス戦(ZOZOマリン)で、プロ野球タイ記録となる19奪三振。8回までパーフェクトで抑えた17日の
日本ハム戦(ZOZOマリン)でも14奪三振と4試合連続2ケタ奪三振をマーク。24日のオリックス戦(京セラドーム)は5回4奪三振で、2ケタは途絶えたが5試合で36イニングを投げ60奪三振。奪三振率15.00と驚異的な数字を残している。
奪三振率は9イニング投げたときの奪三振の割合だが、パ・リーグの規定投球回到達者で9.00を超えているのは(4月25日現在)、
佐々木朗希(ロ)15.00 36回 60奪三振
山本由伸(オ)9.90 30回 33奪三振
上沢直之(日)9.64 28回 30奪三振
千賀滉大(ソ)9.24 38回 39奪三振
の4人で、セ・リーグでは、
戸郷翔征(巨) 9.32 28回 29奪三振
の1人しかおらず、奪三振率10.00を超えているのは佐々木朗だけだ。規定投球回に達していない投手で10.00を超えているのは(10奪三振以上)、
◎パ・リーグ
モイネロ(ソ)16.62 8回2/3 16奪三振
平良海馬(西)15.09 11回1/3 19奪三振
松井裕樹(楽)13.97 9回2/3 15奪三振
ビドル(オ)13.91 11回 17奪三振
十亀剣(西)12.96 8回1/3 12奪三振
佐々木健(西)11.00 10回 11奪三振
藤井皓哉(ソ)10.38 8回2/3 10奪三振
杉浦稔大(日)10.38 8回2/3 10奪三振
西村天裕(日)10.50 12回 14奪三振
石川柊太(ソ)10.20 15回 17奪三振
◎セ・リーグ
齋藤友貴哉(神)14.81 10回1/3 17奪三振
田中健二朗(デ)13.00 9回 13奪三振
ヤリエル・ロドリゲス(中)12.19 10回1/3 14奪三振
ライデル・マルティネス(中)12.00 9回 12奪三振
大勢(巨)11.25 12回 15奪三振
栗林良吏(広)10.00 9回 10奪三振
の16人。リリーフ投手はイニングが短いため、奪三振率は高めの投手も多いが、それでも佐々木朗の15.00を超えているのは、
ソフトバンクのモイネロの16.62と西武の平良海馬の15.09の2人のみ。この数字だけ見ても佐々木朗が飛び抜けていることが分かる。
過去の奪三振率ベスト5

過去の奪三振率トップは19年の千賀だ
過去の奪三振率のベスト5を出すと(規定投球回到達者)、
1位 千賀滉大(ソ)11.33 180回1/3 227奪三振 2019年
2位 千賀滉大(ソ)11.08 121回 149奪三振 2020年
3位
石井一久(ヤ)11.05 196回1/3 241奪三振 1998年
4位
野茂英雄(近)10.99 235回 287奪三振 1990年
5位
大谷翔平(日)10.98 160回2/3 196奪三振 2015年
と最高は2019年のソフトバンク・千賀滉大の11.33。千賀はこの年25試合に先発したが、8試合で2ケタ奪三振をマークしていた。このまま佐々木朗が順調に三振を奪っていけば、この記録は抜く可能性が大きい。4月25日に「疲れが見えたため」ということで登録を抹消され1試合登板を飛ばすことになるが、規定投球回に到達できるかの方が気になるところだ。
今回は4試合連続でストップした2ケタ奪三振。プロ野球記録は2017年に楽天の
則本昂大が達成した8試合連続(4月19~6月8日)。この記録も近々に塗り替えられる可能性も秘めている。
文=永山智浩 写真=BBM