勝ち試合を落とすのが最もダメージが大きい。守護神の活躍はチームの命運を左右するといっても大げさではないだろう。セ・リーグはドラフト1位右腕・
大勢を抑えに抜擢した
巨人が首位を快走し、守護神候補の新外国人右腕・
ケラーが機能しなかった
阪神が最下位に低迷している。各球団の守護神を週ベONLINEが「採点」した。
読売ジャイアンツ

巨人・大勢
1位・巨人 95点
大勢が期待以上の活躍を見せている。
隅田知一郎(現
西武)の「外れ1位」で入団した右腕は関西国際大で度重なる故障により、リーグ戦通算4勝と目立った成績を残せなかったが、潜在能力の高さを評価された。スリークォーターとサイドの中間から投げる変則フォームで、常時150キロを超える直球とスライダー、フォークを武器に打者をねじ伏せる。3月25日の開幕戦・
中日戦(東京ドーム)で40年ぶりとなる新人開幕戦セーブを挙げると、史上初の初登板から7試合連続セーブ。4月9日の
ヤクルト戦(東京ドーム)ではプロ初白星を挙げた。現在13試合登板で1勝11セーブ、防御率2.08。今後の活躍が楽しみだ。
広島東洋カープ
2位・広島 70点
絶対的守護神・栗林良吏は「2年目のジンクス」に挑む。昨季は開幕から22試合連続無失点の球団新記録を達成。東京五輪でも守護神を務めて侍ジャパンの金メダル獲得に大きく貢献した。53試合登板で新人最多タイ記録の37セーブ、防御率0.86と驚異的な成績で新人王を獲得したが、今年の開幕当初は不安定だった。4月2日の中日戦(バンテリン)で1点リードの延長12回に登板も逆転サヨナラ負けでプロ入り後、初めてセーブ機会で失敗。疲労が懸念されたが、その後は7試合連続無失点と状態を上げている。4年ぶりの王座奪還へ、栗林の活躍は不可欠だ。
東京ヤクルトスワローズ
3位・ヤクルト 100点
守護神のマクガフが開幕から9試合連続無失点で6セーブと安定した投球を見せている。2019年から来日3年間で計181試合登板しているタフネス右腕は昨季途中から守護神を務め、66試合登板で3勝2敗31セーブ14ホールド、防御率2.52と自己最高の成績をマークしたことが自信につながっているように見える。以前は突如制球を乱す場面が見られたが、今季は四死球が1つのみで、三振奪取率が高いために安心して見られる。最優秀救援のタイトルも十分に狙えるだろう。
中日ドラゴンズ
4位・中日 80点
抑えで3年目を迎えたR.マルティネスは3月31日の
DeNA戦(バンテリン)で今季初黒星を喫したが、10試合登板で失点したのはこの試合のみ。193センチの長身から投げ下ろす常時150キロを超える直球、スプリット、ツーシーム、ナックルカーブを織り交ぜて連打を許さない。昨季は1勝4敗23セーブ、防御率2.06。9月に救援失敗が続き、マウンドで不安な表情を浮かべる場面が見られたが、守護神としての能力は球界屈指。強気の投球を貫けば、自ずと結果はついてくる。
横浜DeNAベイスターズ

DeNA・エスコバー
5位・DeNA 30点
開幕当初は
山崎康晃が守護神を務めたが、3月27日の広島戦(横浜)で1点リードの9回に3失点で救援失敗。そのあとに新型コロナウイルスに感染して戦線離脱すると、セットアッパーで好投を続けていた
三嶋一輝を抜擢したが、4月24日の広島戦(マツダ広島)で1点リードの延長10回に登板して逆転サヨナラ負け。現在は
エドウィン・エスコバーが務めているが、相手の打順に対応した「日替わり守護神」になる可能性もある。DeNAは昨年も抑えを固定できず、最下位に低迷する一因になった。上位浮上のためにも救援陣の整備は不可欠だ。
阪神タイガース
6位・阪神 20点
阪神が開幕ダッシュに失敗した大きな要因が抑えだった。昨季まで絶対的守護神・
スアレスを据えていたが、今年は新外国人・ケラーが大誤算。3月25日の開幕戦・ヤクルト戦(京セラドーム)で1点リードの9回に登板したが、
山田哲人、
サンタナに被弾するなど3失点で逆転負け。ケラーは同月29日の広島戦(マツダ広島)でも1点リードの9回に登板したが一死満塁のピンチを残して降板。サヨナラ負けを喫し、防御率33.75でファームに降格した。現在は4月中旬から抑えに配置転換された岩崎優が安定した投球を続けている。借金が16までふくれあがったが、5連勝で4月を終えた。5月反攻に結びつけたい。
写真=BBM