交流戦で打撃2冠

交流戦で長打力、勝負強さを見せつけた大山
交流戦では12勝6敗の貯金「6」で
ヤクルトに次ぐ2位に食い込んだ
阪神。開幕9連敗の悪夢からセ・リーグ最下位に沈んでいたが、交流戦を終えて4位に浮上した。その立役者の一人が
大山悠輔だったのは間違いないだろう。交流戦7本塁打、21打点で2冠に輝いた大山。神懸かり的な打撃を見せたのは6月1日の
西武戦(甲子園)からだった。3回一死一、三塁でバットを強振すると打球は大きな放物線を描き、左翼席へ。3日の
日本ハム戦(甲子園)では3発の本塁打を放ち、一時6点あった差をひっくり返した。5日の同カードでも3ラン。10日の
オリックス戦(京セラドーム)でも3ランと試合を決める一発を放った。大山が本塁打を打てば4勝1敗と主砲の働きは大きいものだった。
阪神OBの野球解説者・
岡田彰布氏も週刊ベースボールの連載コラムで、大山の働きぶりを称賛している。
「いまは最高の状態なんだろう。速い球も変化球も、実にタイミングよく対応できているし、迷いがないのがいい。思い切りできているし、ホームランを量産したのもうなずける」
ただ、心配な点もあるという。
「これまでも大山は爆発的に打てる時期があった。それが長続きしない。これは余計なことを考え、余計なことをするからだとオレは分析している。例えば引っ張れるコースの球を無理して反対方向に打とうとしていた。なんで右方向を狙うのか? もちろん状況によって、そういうバッティングは必要だが、これによって持ち味を殺して、バッティングを狂わせてしまう。そういうことをこれまで繰り返してきた。あまり深く考えず、シンプルに対応することを大山に期待する。もともと力のあるバッターなんやからね」
現在、阪神は借金「6」。勝率5割に到達して、さらなる躍進を狙うには大山の打棒は欠かせないだけに、ペナント再開後も交流戦で見せた打撃が続けられるか注目だ。
写真=BBM